20．消えぬ想い。 ページ20
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廊下で先生たちが話してる内容は聞こえなかった。
聞きたいとも思わなかった。
けど、静まった声と慰めの声だけが聞こえて、先生が教室に戻ってきた時
安心した。
やっぱり、すこし怖かった。
「告白されちった。」
なんておどけて戻ってきた先生に、かける言葉が見当たらなくて。
よかった、なんて言う訳にも行かなくて。
考えてる間に、先生は向かい合った机に座る。
「高校生の色恋沙汰なんて、遊びの一環」
「え？」
「どうせ卒業したら消える。禁断の恋？的なのに勝手に盛り上がってるだけでしょ。」
さっきはおどけてたのに、ふといつもの冷たくてめんどくさい顔をした先生は、窓の外を見てそう言い放った。
そう。
きっと先生からすれば
私の想いもきっとお遊び。
伝えなくていい。
知らないまま、私も知らないフリをしよう。
先生。
こんな失恋の仕方、私は知らなかった。
殺さなくちゃいけない想いと向き合うのが、辛くて苦しいって、先生は知らない？
「先生の高校時代の恋愛は、お遊びでしたか？」
「おれは……」
言いづらそうに少し淀んだその言葉は。
誰を思い浮かべたの？
「お遊びってより、遊んでた側の人間だから。」
少し寂しそうにそう言った先生の横顔は、
私の知らない誰かを見つめてるような
そんな気がした。
「私、帰ります。」
「え、ラーメンは？」
「バイトあるの忘れてて。」
カバンを持って足早に教室を出た。
咄嗟にでたその言葉も、ただそこにいたくなかった、それだけのための嘘。
まだ芽生えて数ヶ月の想いは、
呆気なく
伝える間もなく消えていくんだ。
家に着いても、ずっと先生の顔が頭から離れなくて。
離れて欲しくて、消したくて、ただ部屋でもがいていた。
しばらくそうしていたら、遠くで携帯が鳴る音がする。
震える画面には店長の番号。
「今日さ、1人欠員出ちゃって」
その言葉に間髪入れずに
「行きます」
と返事をした。
解いた髪を結び直して、
着替えてスニーカーを履いて、
何も考えずに
ただ働くことだけを目的に
急いでいる訳でもないのに
走って家を出た。
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憂(プロフ) - みやさん» みやさん。コメントありがとうございます。こちらの私情であるにも関わらず応援して頂きまして、本当にありがとうございます。これからも先生と主人公ちゃんをよろしくお願い致します( •̥-•̥ ) (2022年12月1日 9時) (
レス) @page40 id: 39a6e0a5de (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 憂さん、はじめまして せつと申します。人生最大ゴタゴタの中素敵なお話を紡いでくださりありがとうございます。スローでもよきよき♪待ってますので 憂さんのペースでどうぞ。いい子で次のお話待ってますね。 (2022年12月1日 9時) (レス) @page40 id: a88f73c135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂 | 作成日時：2022年11月4日 3時
