＊完結＊《君が好き》【K.N】 (ページ25)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:648,152 hit

・ページ25

・

でも、すぐに和也はいつもの冷静な態度に戻って

「お前は、ずっとオレのそばにいればいいの」

「…なによそれ…」

「言っとくけどね、お前がどんなに苦しんでても、俺はお前を離すつもりなんてないからね？
よって、家の鍵は返しません！欲しけりゃ土下座でもしてみなさいよ」

理不尽極まりない発言をすると

「ほら、とっとと部屋着に着替えて
一晩中一緒にいてあげますよ？」

そう言って、私の肩をポンと叩いた

はぁ？こいつバカなのか？

私いま、貴方といるのがツライって言いましたよね？

「和也のバカ！なんなのよ！」

「オレはバカじゃないから、人違いですねー」

「あぁもう！ホント最低！！」

「最低とか死ぬほど言われ慣れてて痛くもかゆくもないわ！」

ハハン！とか笑ってる！

クッッソむかつくんだけど！！

でも、こんなにムカつくのに変わりはないけど

なんで怒ってるんだろうって
可笑しくて笑いそうになってくる

真夜中に、いい年した幼馴染が痴話喧嘩？

痴話喧嘩、よりはタチ悪いけど
でもそんな感じ。

怒ってる私を無視してゲームしだした和也の

肩を思いっきり叩いたら

イテ！って私のおしりを蹴ろうとする

「なにすんのよ！女の子に！」

「へー、お前女だったの？初耳だわ！」

「酷い！なんで私こんなやつと一緒にいるんだろう！」

「俺がお前を好きだからだろ、
んなこともわかんないの？バーカ！」

なんて
罵り合ってる最中に
真剣な目をして和也が言う

あぁ、もう。
我慢の限界だ

「…っ、バカじゃないもん…っ」

言い返しながら
ポロポロと流れるのは嬉し涙？

それとも、和也への悔し涙かな

どっちにしろ、和也のせいだ

いきなり泣き出したわたしに

「泣き顔ブスー笑」

「う、うるさい！！誰のせいよ！」

「あーはいはい
オレのせいですスミマセン」

「…ほんっとムカつく…っ」

意地悪なことを言ってくるのに

私の頬を包んで涙を拭う手は暖かくて…

優しかった。

「久しぶりだな」

和也が、ポツリと言う

「…なにがよ…」

「ん？こうやってさ、喧嘩すんの」

「…」

「ずっと、こうしたかった」

そう言って
少し乱暴にスウェットの袖で私の涙を拭うと

「好きだよ、A
俺ともう一回付き合って」

和也はフフッと笑って

泣き面の私を
強く、抱きしめた。