＊完結＊《君が好き》【K.N】 (ページ17)

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そんな脅しに近い話を聞かされても

俺、なんでこんな話聞いてんだろ。って

むしろバカバカしくなってくる。

もうとっとと帰りたい。

Aはもう寝てるだろうけど。

イライラしながら、話しの続きを待つ。

「前…和のマンションに行ったら
エレベーターの前で女の人が鍵を落として、拾ってあげたの」

「…はぁ…それで？
何がどーなって俺の女だって決めつけてんのよ」

「…だってその人…和が持ってたストラップと同じやつを鍵につけてたのよ…？」

って、あぁ。

そういえばあいつの合鍵にストラップ付けてやったっけ。

俺はこいつの話で思い出すくらいのレベルなのにさ

なんで関係ないおまえが出しゃばんのよ

「知らないわそんなの笑
つーか別れてんだから俺ん家来んのやめて？
それに、たとえ俺に新しい女がいたとして
おまえにカンケーねぇだろ」

「あるわよ！」

「はぁ？」

「あんな…一方的に別れてって…
納得できないに決まってるでしょ…」

そう言ってまた深いため息つく。

…こいつってこんな面倒くさかったっけ？

「好きな子ができたって
あの子のこと？」

「さぁ？あのコってどのコよ笑」

「だから、鍵にストラップ付けた子よ
和の鍵についてたのと同じ」

「んなもん大量生産されてんだからさ
たまたま一緒だったかもしんないだろ」

まじでいい加減にしてくれ。と思ってたところに
電話がかかってくる。

マネージャーだ。

「マネが降りてこいって。おまえも帰れ」

「…わたし、許さないから」

「なにをよ」

「和とあのコは似合わない」

「ハッ、似合うとか似合わねーとかおまえに言われる筋合い無いわ笑」

「だって…和のタイプじゃなかったもん」

「だから？その子と俺は似合わないって？」

「そうよ…私の方が…」

私の方が、なに？

俺に似合ってるとか言いたいの。

元カノが何かを言いかけた時

マネから2回目の電話がかかってきた。

「あー、ごめん今行くわ
もうちょい待ってて。うん、じゃーねー」

電話を切って、同情を煽ってるとしか思えない女に向き直る。

…もうさー、神経擦り減らすのやめてほしいんですけど。

「…和、」

「あのさぁ、それ以上くだらないこと言うんなら追い出すよ？」

「…っ」

「じゃーね。もう会うこともないと思うけど」

着替え途中だったジャケットを脱ぎながら言うと

女はヒールを鳴らして楽屋を出てった。

あーもう

メンドクセェ。