君と描く物語-番外編-

＃４ ページ4

私は今までずっと気付いていなかったのかもしれない
先生が、教師として…私との恋愛にどれだけの覚悟を持って向き合ってくれていたのか

世間に公表できない関係であるという事を、私が考えるよりも遥かに重く受け止めていたという事を…


私との関係を語る先生の表情を見て、初めてそう感じた

天元｢それでも……Aさんへの愛は揺るぎない…
いくら周りから教師失格だと言われようと、Aさんを手放す気はありません…！

Aさんと一緒に居られるのであれば、どれだけ罵られようと構いません

他は何だって手放す覚悟で傍に居ると決めました

そして…Aさんの幸せの為なら、この命だって差し出すのも惜しくありません｣

A｢…っ｣ｼﾞﾜｯ

真っ直ぐに、一瞬だって揺らぐ事無く放たれる言葉達

大袈裟なんかじゃなくて、本気でそう思ってくれてるんだと伝わる…

天元｢直ぐに認めて貰えるとは思っていません…

でも、必ず誠意を伝えてみせますから…！
どうか…私達の交際を、前向きに考えて頂けませんか｣ｽｯ

A｢…！｣

先生はソファーから腰を上げて床に正座し、深々と頭を下げた

A｢…っ……私からも、お願いします！｣ﾊﾞｯ!

先生のそんな姿を見て、私も滲む視界の中
先生の隣に同じ様に正座して頭を下げた

先生の誠意が…大きな愛が、どうか両親に伝わるようにと祈りを込めて

父｢先生…！頭を上げてください…｣

母｢そうよ…Aも、頭を上げなさい。二人共いいから座って？｣

A｢お父さん…お母さん…｣

天元｢…すみません…っ｣

両親は優しい口調で、私達に頭を上げてソファーに座り直すように言った

父｢いやー…まぁ正直驚きました…昼間 Aから会って欲しい人が居ると言われた時は、てっきり同年代の子を連れて来ると思っていたので…

まさかお相手が宇髄先生だったとは……お母さんは知っていたのか？｣

母｢えぇ、少しお話を聞いてました。それに私は、以前宇髄先生ともお話させてもらってて…

宇髄先生なら Aを大切にして下さると思いますよ｣

A｢お母さん…｣

母は私と目が合うと、目を細めて笑顔で頷いてくれた

父｢そうか………宇髄先生｣

天元｢はい…っ｣

父｢さっきの言葉で、宇髄先生がどれだけの気持ちでAの事を大切にしてくださっているのかは よく伝わりました

確かに驚きはしましたが、そこまで言って頂ける方が娘を慕ってくださる事は寧ろ誇りです………ただ…｣

天元｢…っ｣

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