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Chapter 3 ページ3

アルケー社のエントランス。受付のお姉さんに要件を伝える。
Aは手に持っている袋の中を覗いた。歌苗がワーグナーの為に作った料理。それを届けに来ているのは自分…でも今は、自分にしか出来ない事がきっとあると、言い聞かせる。
ただし、あんな事を言っていても、ワーグナーにとって歌苗は姉弟同然。追い返したとは言え、自分を思ってくれている存在は何物にも変えられないだろう。
逆立ちしたって歌苗には敵わない事は、自分でも良く分かっている。分かっているつもりなのだが…結局、自分が代理であるという事を自身で突き付ける形になって、空虚感が増しただけだった。
しばらく待っていると、声を掛けられる前に偶然ワーグナーと三弦が現れた。
Aに気付いたワーグナーが、先に声をかける。
「Aさん…?どうして、ここに…」
それだけ言うと、ワーグナーはその場に倒れこんだ。三弦は咄嗟に倒れかかる体を支える。
「ワー君?!」
Aも側に駆け寄った。首筋に触れると、すぐに分かるくらい体が熱を帯びている。
「無茶するからッスよ…」
「熱がかなり高いですね…とりあえず、休ませましょう」
「部屋はこっちっス。こちらも出来ることはするので、お願いしても良いっスか?」
「そのために私が来ています。ワー君は私が看ますから、色々用意してもらえると助かります」
華奢な体を抱き上げると、三弦に案内された部屋に向かった。

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作者名:神風 雪火 | 作成日時:2018年3月21日 14時

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