音ノ鳴ル方 〜参〜【宇髄天元】

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その後は、散々動き回った後に死んだふりを続けた。
愈史郎はその隙に琵琶女の視界を奪う。
彼の目的は無惨を地上へ叩き出すこと。
ここからは、愈史郎と無惨の対決になるだろう。


「カァァー！！冨岡、炭治郎！鬼舞辻無惨ト遭遇！！柱ハ今スグ援護二向カエェ！！」

『「…っ！！」』


死んだふりをしていた伊黒、甘露寺、私は一瞬ぴくりと反応した。
2対1ではあんな気色悪い頭体に勝てるはずがない。

こんな所で死んだふりをしている場合なのか。
他の柱達は死ぬまで頑張ったというのに、私たちは全く何の役にも立っていないではないか。


『…伊黒さん、蜜璃』

「ああ、行こう。こんなことをしている場合ではないだろう。」

「冨岡さんたちが危ないわ…！」


私たちは死んだふりをするのを辞め、愈史郎に''行きます''と意味を込めて目配せをすると愈史郎は小さく頷いた。
死んだフリ作戦は失敗に終わるが、愈史郎が琵琶女を乗っ取ってくれている今が、ここを抜け出す時だ。


「…冨岡達はどこにいる」

「コッチダ！！！」


伝達をしに来た鴉に案内をしてもらい、冨岡達の元へ急ぐ。
富岡は柱だからまだ他と比べれば安泰だ、しかしいくら才能はあるにしろ炭治郎は一般隊士。
守らなくては、禰豆子のためにも。

過去一と言ってもいいほどの勢いで走ると、段々炭治郎達の姿が見えてくる。


『いた…！』


炭治郎と冨岡の前には最初見た時よりも気持ち悪い格好になっている無惨の姿があった。
冨岡も刀が折れていてまともに戦えていない。

すると、炭治郎は突然壁に衝突し逃げ道を失った。
まずい、このままだと殺られてしまう…。


「やめなさいよーーー！！」

「！？」

「恋の呼吸・陸ノ型____猫足恋風！！」

『光の呼吸・玖ノ型____目眩ませ・閃光一閃」


すぐさま炭治郎の元へ走り、甘露寺が無惨の攻撃を防ぐ。
その隙に目眩しの型を出すと、伊黒は炭治郎を抱き上げて無惨から距離をとった。

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