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『炭治郎、頭で考えすぎて行動が遅い！鼻が効くならそれを存分に活用して頭じゃなくて目で判断するんだ！』
「分かった！！」
炭治郎は優しい。
それ故、相手を攻撃することに躊躇しているのが丸見えだ。
だが、判断が遅いとすぐに殺されてしまう。
頭で考える暇があるなら、初手は素早く行動するべきだ。
いくら鍛錬で相手が人間であっても、鬼と戦っていることを想像して本気にならなければ稽古の意味が無い。
それから炭治郎は、言った通り段々と考える時間を減らしていった。
『…！！』
「取った…！」
そして２日後、炭治郎は私から1本を取った。
今ではもう以前より格段に素早さが増している。
文句無しに、私の稽古は終えて良いだろう。
「ありがとう、A！」
炭治郎は竹刀を私に返すと、深々と礼をした。
どこまでも礼儀正しく心優しい炭治郎は、微笑ましい。
『ううん。本当に強くなったね、炭治郎』
「いや、俺なんてまだまだ」
『そんなことないよ。以前鍛錬に付き合っていた頃は、私から1本取ることすらできなかったのに』
「そういえばそうだったな…」
炭治郎はそう言って思い出すように空を仰いでいた。
鬼殺隊での身分はかけ離れているが、年齢も身長も私より上で兄のような存在の炭治郎をとても気に入っている。
もし、鬼のいない平和な世界で彼と出会うことができたらどんなに幸せだっただろうか。
____いや、鬼殺隊に入ったからこそこの仲間たちと出会うことができたのだろう。
鬼は嫌いなのに、そこは複雑だ。
無惨との戦いが近づいていく程、そんなことを考えてしまうようになった。
「…A？」
頭の中で考え込みながら炭治郎のことをじっと見つめていたらしく、炭治郎は心配そうな顔で覗き込んできた。
『あっ、ごめんね。なんでもないよ！次の柱の所に行っても頑張ってね、炭治郎』
はっとして余計な思考を消すと、炭治郎に笑いかける。
こんなことを考えても仕方がない。
私も彼も無惨を倒すことだけが目的でここにいるのだから。
「うん！頑張ってくるよ、ありがとう！」
ひらひらと手を振りながら屋敷を出ていく炭治郎に、笑顔で手を振り返した。
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彩豊(プロフ) - こんにちは！凄くおもしろかったです！これかどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):作者様の無理ないよう、更新頑張ってください！応援してます☆彡 (2022年10月24日 13時) (
レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - Suzuさん» 更新した瞬間に見てくださってありがとうございます…！一瞬で間違い気づきました…ご指摘もありがとうございます！！ (2022年1月22日 11時) (レス) @page31 id: b1ab138b18 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - めっちゃ読みやすくて大好きです！もう宇髄さんがカッコ良すぎて……さすがです！ 竹刀を渡すところ、炭治郎が誕生日になっています(小声 (2022年1月22日 11時) (レス) @page31 id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 羽憐さん» ありがとうございます！更新はまばらですがこれからもよろしくお願いします！ (2022年1月22日 11時) (レス) id: b1ab138b18 (このIDを非表示/違反報告)
羽憐(プロフ) - 今日読み始めたのですが、宇髄さんカッコよすぎますし、ストーリーも読みやすくて一気読みしてしまいました！！更新楽しみにしています！ (2022年1月18日 21時) (レス) @page30 id: dc480b39e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚 | 作成日時：2022年1月8日 14時
