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あまねは固まる柱達を他所に、最後の言葉の後挨拶をすると退室して行った。
「なるほど………しかしそうなると私は一体どうなるのか…南無三………」
悲鳴嶼が数珠を鳴らしている。
じゃりじゃり聞こえる音の中で、妙なほど淡々と呟かれるその言葉。
言葉の意味は柱は全員理解していた。
悲鳴嶼は現在''二十七歳''。
あまねの言ってることが本当ならば、悲鳴嶼は痣が出た途端に死を迎えることとなる。
だが、誰も悲鳴嶼の言葉には反応しなかった。
突然告げられた事実に驚きを隠せない。
とりあえず今後の動きを皆で考えなければならないことは確かだ。
「……あまね様も退室されたので失礼する。」
しかしその中でただ1人、素知らぬ顔ですっと立ち上がる者。
冨岡義勇だった。
「おい待てェ、失礼すんじゃねぇ。それぞれの今後の立ち回りも決めねぇとならねぇだろうが」
「…六人で話し合うといい。俺には関係ない。」
すかさず不死川が止めようとするが、冨岡は振り向きもせずそう吐き捨てた。
「関係ないとはどういうことだ。貴様には柱としての自覚が足りぬ。それとも何か?自分だけ早々に鍛錬を始めるつもりなのか、会議にも参加せず」
見兼ねた伊黒も文句をぶつけるが、冨岡は聞いている素振りも見せず退室しようと歩き出す。
甘露寺が「あっ、」と声を出し手を伸ばしかけるが、それすらも気にしない様子だ。
「テメェ待ちやがれェ!!」
「冨岡さん、理由を説明してください。さすがに言葉が足りませんよ」
普段から無口で口数も少なく、何を考えているかも分からない冨岡だが今回は特に本当に何一つ分からない。
「………俺はお前たちとは違う」
私も何か言った方が良いだろうかと考えたが、冨岡の呟いたその一言で今は無意味に言葉を発しない方が良いと判断した。
その後も不死川は冨岡を追いかけ、冨岡は無視を続けた。
甘露寺が止めに入るが止まる素振りもない。
今までなら宇髄や煉獄が止めてくれていたのだが、その2人がもうこの場にいないのだということを改めて思い知らされる。
すると突然、パアァン!!と物凄い音が鳴り響く。
そして地面は大きく揺れ、ビリビリ聞こえる。
あまりにも突然のことに驚き、体も少しだが浮いた。
「座れ……話を進める……一つ提案がある……」
音の主は岩柱・悲鳴嶼行冥で、その雰囲気はいつもと違っているのが分かった。
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彩豊(プロフ) - こんにちは!凄くおもしろかったです!これかどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):作者様の無理ないよう、更新頑張ってください!応援してます☆彡 (2022年10月24日 13時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - Suzuさん» 更新した瞬間に見てくださってありがとうございます…!一瞬で間違い気づきました…ご指摘もありがとうございます!! (2022年1月22日 11時) (レス) @page31 id: b1ab138b18 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - めっちゃ読みやすくて大好きです!もう宇髄さんがカッコ良すぎて……さすがです! 竹刀を渡すところ、炭治郎が誕生日になっています(小声 (2022年1月22日 11時) (レス) @page31 id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 羽憐さん» ありがとうございます!更新はまばらですがこれからもよろしくお願いします! (2022年1月22日 11時) (レス) id: b1ab138b18 (このIDを非表示/違反報告)
羽憐(プロフ) - 今日読み始めたのですが、宇髄さんカッコよすぎますし、ストーリーも読みやすくて一気読みしてしまいました!!更新楽しみにしています! (2022年1月18日 21時) (レス) @page30 id: dc480b39e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚 | 作成日時:2022年1月8日 14時