審神者就任一日前 中 ページ13
「未来人…」
思わず胡乱気な目を向けてしまうが、その荒唐無稽とも言える発言を飲み込むために一つ呼吸をする。
『鬼に姉を殺された』
それは血の繋がった親族にも受け入れられない戯言で、医者にも連れていかれそうになった。
そういうことがあったから、口先で否定から入るのは辞めようと思ったのだ。結局その時は道すがら逃げ出して鱗滝さんに拾われたのだが。
「…続けてくれ」
「ありがとうございます。では、単刀直入に定型文を申させて頂きますね。」
「冨岡義勇さん。あなたには審神者になって頂きます」
「…は？」
手元の書類と目の前の男の顔を目で往復する。
未来の戦争に過去の人間が？
過去にそもそも未来人が来ていていいのか？
霊力なんてもの感じたこともないが？
俺はせいぜい、支部が近所に出来るので怪しくても通報するなよ。とかその程度だと思ったのだ。いや、まさか俺が、審神者とやらに？？
「(そもそも拒否権とかあるのか？)」
『戦争』と聞いて俺が一番に考えるのは鬼と人との1000年続いた争いだ。政府非公認の組織だった為、怪しまれて縄で拘束されたことは正直何度もある。
二番目に考えつくのは、鬼舞辻無惨を討った後に始まった外国とのそれだ。痣の後遺症でぼろぼろだった俺たちは見届けずに死んだが、生まれ直したあと教科書に載っていたそれを思えば凄惨なものだったのだろうとは容易に想像がつく。
「こちらは未来の事情に関わっていただく立場なので、それなりに希望は聞かせていただきますよ。」
強引な言葉ながらも、その目には隠しきれない心配が浮かんでいる。
目は口ほどに物を言う…なら、この男を信じてみるのもいいだろう。
「高校卒業までは学業を重視する。あと…俺は喋るのが嫌いだ。」
何が悪いのか喋れば喋るほど周りの人間の額にシワが湧くし、なぜだかちっとも伝わらない。
話さなくていい環境が用意されるなら願ったり叶ったりだ。
「分かりました。既に多数の男士が顕現されている本丸の引き継ぎを希望してみましょう。ブラック、と呼ばれるものは危険度が高いので先任が引退したケースを…」
男は心得た、と言うように頷いて手元の端末を指でなぞる。それに視線を落としてみれば、妙に薄いし軽そうだ。ガワだけ似せてあるだけで未来のものなのだろう。
ぼおっとそれを眺めていると、男の眉が八の字に下がった。
「白引き継ぎがないな…」
ボソリと困ったように呟く。
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ふわな - あの某掲示板感が面白いです！更新待ってます！ (2022年8月12日 15時) (
レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 続きを寒いなか正座で待機中 『ﾌｸﾌｸﾌｸ……………どこ?』 (2021年2月6日 22時) (レス) id: b89caa16cb (このIDを非表示/違反報告)
めがね - つ･･･続きを･･･O( ° Ｏ ° O) (2021年1月23日 22時) (レス) id: af4084f8cb (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き！！(プロフ) - 続きがとても気になります！！更新頑張ってください！！ (2020年10月11日 23時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 更新ありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年7月12日 14時) (レス) id: 0be41e7afe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トイプードル | 作成日時：2019年9月24日 11時
