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審神者就任一日前 前 ページ12

「冨岡義勇さん」


入学したばかりの高校からの帰り道、知らない声に名前を呼ばれた。
苗字か名前か、どちらかしか呼ばれていなかったなら振り返っていなかっただろうから別にいいのだが。

「今、お話することは出来ますか?」

自身より低い身長の髪に白いものがまじり始めた年の男。その顔には人好きの良さそうな笑みが浮かべられている。

「…ああ」

明らかに怪しい…が指さされた先にあるのはよくあるコーヒーチェーン店だから問題ないだろう。
害意は無さそうだし。


奢ると言われたがそれを断り、真ん中のサイズのコーヒーを注文。
奥の方にある2人がけの席に座りそれをすすりながら本題を促す。

「ではまず本題に…入る前に。お説教をさせていただきます。」

「(なんで?)」

「いくら相手に敵意がなかろうと知らない人間について行ってはいけません。」

なぜ俺は名前も知らない人間に説教されているのだろうか。
つらつら言葉を並べ立てられそこに言葉を挟むことなど俺に出来るはずなく、それをひたすら聞き流すことしか出来ない。

最近、相変わらず目に光がないと一学年上に在籍する宇髄天元に言われたことを思い出す。その時は否定したが今は目が死んでいるだろうことが自分でもわかる。
せめてこのコーヒーがなくなる前に終わるだろうか。


…結局空になったカップを何回か傾ける時間があるほど説教は長かった。

収穫は、この男は俺の身を案じているということが分かったことだけだ。

…うん。

「ッゴホン、失礼。それでは本題に。」

胡乱な目(当社比)で見上げる。
急に真面目な顔してももう意味ないぞ。

「冨岡さん、時間遡行軍という言葉をご存じですか?」

「ない」

間髪入れずに答える。
令和になったばかりの世の中。不穏な話題はいくらでも耳に入るが、それでも大正のあの頃ほど一般人に迫るものでは無い。
聞くからに不穏なその言葉を聞くのも当然初めてだ。

「…そうですよね。ではこの資料を読んでいただけると分かりやすいかと」

うわっ

簡単に手渡されたそれはそれなりの分厚さがある。
これを?今この場で?

「(今か?)」

「全てとは言いません。ここと…ここ、あとここを読んでくだされば」

2、3ヶ所に貼られていくポストイット。
これなら5分もかからず読み終えられるだろう。

紙の束に視線を落とす。

時間遡行軍、審神者、刀剣男士…

「2205年…?」

「はい。実は私、未来人なんです」

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ふわな - あの某掲示板感が面白いです!更新待ってます! (2022年8月12日 15時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きを寒いなか正座で待機中 『フクフクフク……………どこ?』 (2021年2月6日 22時) (レス) id: b89caa16cb (このIDを非表示/違反報告)
めがね - つ・・・続きを・・・O( ° O ° O) (2021年1月23日 22時) (レス) id: af4084f8cb (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き!!(プロフ) - 続きがとても気になります!!更新頑張ってください!! (2020年10月11日 23時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからも頑張ってください! (2020年7月12日 14時) (レス) id: 0be41e7afe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トイプードル | 作成日時:2019年9月24日 11時

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