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20.平穏 ページ22

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少し久しぶりに街を見渡すと、鬼との戦いで壊れてしまった通りは、私が蝶屋敷で治療を受けている間に作業が進んでいて、少しずつ元の形を取り戻していた。








荻本屋はほぼ全壊で、荻本屋と同じように使えない店は隣の通りの空いている店や料理茶屋を借りて、仮宅と呼ばれる臨時営業を始めているようだった。










「千早花魁!!」

「春…!」

「無事でよかったでありんすよおっ!わっちのせいで、大怪我を…!」









店に入ると真っ先に春が駆け寄ってきて、大粒の涙をこぼしながら私の腰に抱きついた。










「千早、無事でよかった」










楼主様や他の()に囲まれて、心配させてしまったことに申し訳なくなる気持ちと、気にかけてくれていたことを嬉しいと感じる気持ちが混ざる。









「うちに居たまきをと、須磨と雛鶴という2人の娘と、前にお前を助けてくれた不死川様が久しぶりに訪ねてきて、"千早が大怪我だから吉原の外で面倒を見させて欲しい"ってわざわざ頭下げに来てなぁ…驚いたよ」

「ご心配をおかけました…穴を開けてしまったぶん、たくさん稼ぎます」









戻ってきて初日だけど、今日から復活すると聞いて、私に会いに来てくれるお客さんがいるようで、髪を結ってもらいお化粧をして、豪華な衣装に身を包んだ。



















































それから1ヶ月程が経ち、かなり作業が進んで、街の姿は取り戻しつつある。









不死川さんは前と同じように数日に一度、朝方に窓の外からやってきては、たわいもない会話をほんの少しの時間交わして、最後に私の頭を撫でて去っていく。








「また来る」








不死川さんのゴツゴツした大きな手は、相変わらず温かくて泣きそうになる。









あなたはいつも魔法のように、私の世界に優しい風を吹かせてくれた。










心が満たされて、またあなたに会える日を楽しみに頑張ろうって、思っていた。










そう、思っていたのに。










唐突に訪れたのは、悲しい(しら)せ。









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玲羅(プロフ) - すごく面白いです!体調に気をつけて、更新頑張ってください! (4月19日 11時) (レス) id: cb3a3c8e5d (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - かるぱすさん» コメントありがとうございます^^そう言っていただけると本当に嬉しいです…!もう少しで完結予定なので、最後までよろしくお願いします♡ (4月3日 11時) (レス) id: 8beddeaf96 (このIDを非表示/違反報告)
かるぱす - 初コメ失礼します!この作品すごく面白いです!更新待ってます! (3月31日 0時) (レス) @page22 id: 11d8e78453 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:萌娜 | 作成日時:2024年2月29日 17時

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