【鬼滅の刃】甘いも苦いも、甘過ぎる愛の蜜【短編集】

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「お前、なんか可愛いな。」




『……へっ！？』

「可愛い」と言われ素っ頓狂な声を上げる私を見て、伊之助と呼ばれていた少年はクスクスと笑う。いや貴方に可愛いとは言われたくないよ。

君の方が可愛いよ、なんて言ったら殺されそうだから心の中で可愛いと言う事にした。



「おーい伊之助！女の子に手ぇだしてないよね！？出してたら禰豆子ちゃんに言いつけるよ！！」

「善逸、何で禰豆子に言うんだ？」

「え、禰豆子ちゃんに嫌われる伊之助を見たいから。」

あーだこーだ言い合う善逸と呼ばれていた少年と、私が気絶する前に見た炭治郎と呼ばれていた少年が仲良く歩きながら此方に向かって来ていた。

その瞬間、暖かい温もりに包まれた。そして地下の様なこの場所に響く善逸君の奇声。


「伊之助何やってんの？ねぇ何やってんの！？何でその子抱き締めてるの羨ましいなクソヤロー！」

「善逸、ちょっと欲望出てきてるぞ。大丈夫か？というより、伊之助はその子が気に入ったのか？」

「おう。てめーらには渡さねぇぞ！お前らは俺の子分なんだからな！」


「誰がお前の子分だコノヤロー！！」という叫び声を無視しながら私を抱き締める力を強くする伊之助君。ごめん、食べたモノ吐きそう。


「こいつは俺のだかんな！」



伊之助君がそう言うのと同時に首筋の肉が引き裂かれる感触と痛みが身体中に走った。


『いっ……！』

「伊之助！その子が嫌がっているだろう！せめて睡眠薬を飲ませてやらないとショック死するかもしれないんだ！」


睡眠薬がどうこうではない。


兎に角首が痛いのだ。




視界が歪み身体に痺れが走る。

何故か少しだけ気持ちイイと思ってしまったのは秘密にしておこう。


変な薬でも飲まされた感じだ。まあ取り敢えず……、












『たす、けて……。』

＊続く＊

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