【鬼滅の刃】甘いも苦いも、甘過ぎる愛の蜜【短編集】

赤と黄と青の吸血鬼：かまぼこ隊★（リクエスト） ページ7

この世には、吸血鬼という生き物が存在する。

男の吸血鬼は女の血を吸う。女の吸血鬼は男の血を吸う。



私は、昔からそんな話をおばあちゃんから聞いていた。

そして今日、その話が嘘ではない事を知る。

＊＊＊＊＊

「合コンとか、まったく楽しくなかったわぁ〜」

「マジそれな。つか全員ブスだったし。」

『顔はどうでもいいけど、脚とか触って来たのは嫌だったなあ…。』

「うわ、最悪じゃんソレ。」



私の友達3人と一緒に今日は合コンに行っていた。

大学生で集まって合コンをしたけれど、自分に合う人は居らず、合コンの感想……というか、愚痴を言いながら4人で帰っている。


そう言えば、夜は吸血鬼がでるという噂があるが、皆は知っているのだろうか。


『ねぇ、夜は吸血鬼が出るっていう噂、知ってる？』

「え、んなもんいんの？」

「噂でしょ？信じたら本当に現れるよ〜？」

「迷信だよ迷信！」



やっぱりそうだよね。
そんな都市伝説みたいな生き物、存在するわけないよね。

笑っている皆を見ていると、吸血鬼なんてどうでもいいや、なんて思ってしまう。



『吸血鬼はただの噂、か……。』

















「本当にただの噂だと思います？」


『え…』



突然後ろから聞こえた男の子の声に驚き、振り向く。

みんなも男の子の声が聞こえたらしく、赤い髪色をした男の子を見ていた。


「アンタ、誰……？」

いきなり現れた男の子に警戒しているのか、声を低くして、リーダーの子が男の子に問う。



「こんばんは。」


男の子はふわりと笑った。

後ろの三人は、男の子の顔に見惚れている。


だから気付いていないのかも知れない。






男の子の目が笑っていないことに。














「こんなに夜遅くまで外を歩いていると、


吸血鬼に食われるよ。」







「いやああああああああ！！！」








後ろで、叫び声が聞こえた。


＊続く＊

▼→←▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す