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『な、なに…!?』
後ろに振り向くと、連れの一人が金髪の男の子に後ろから抱き締められていた。いや、違う。
様子を見る限りただ抱き締められている訳ではなく、男の子が唇を彼女の首筋にあて、何かをじゅるじゅると吸っていた。
彼女の頬はほんのりと赤く染まっており、表情は苦痛に耐える様な顔をしている。
私以外の残りの二人は、腰が抜けたのかその場に震えて座り込み、顔を恐怖の色に染めていた。
…何、これ____?
「善逸!その人の味はどうだ?美味しいか?」
いつの間にか赤髪の少年が私の隣に歩いて来ており、目の前の光景を笑顔で見ている。そして、金髪の少年に話しかけた。
善逸、と呼ばれた少年は首筋から唇を離し、此方を見てニコリと笑った。
「美味しいよ。」
そう言った金髪の少年の頬は紅潮していて、少し色っぽい。
そしてまた、金髪の少年は首筋に噛みついて何かをじゅるじゅると吸い始めた。
『な、何を吸ってるの…?』
「血だよ。」
赤髪の少年が私の問いに答える。
血?血って、人間の血のこと?血を吸うって……それじゃあまるで吸血鬼じゃないか。
「俺たちは吸血鬼なんだ。お姉さんたちは、俺たちの食糧になるんだよ。」
「ぷはっ……!ご馳走様。……炭治郎、一人は柱にあげようよ。こんなに食糧になる人間、要らないと俺は思うんだよねー。」
「それもそうだな!よし、じゃあ一度屋敷に全員持ち帰ろうか。」
屋敷?柱?吸血鬼?……一体なんなの?
「夜には吸血鬼が出るよ。」
迷信でも都市伝説でもなかった。
吸血鬼は存在していたのだ。そして今、私の目の前にいる。
おばあちゃんの話、信じておけば良かった。
そうしたら、こんな事にはならなかったのに……。
うなじ辺りを殴られて、意識が飛ぶ。
「お姉さんの血は、美味しいかな?」
その言葉を最後に、意識は闇に飲まれた。
*続く*
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おはぎ - リクです!玄弥で、Rギリギリをお願いします! (2019年12月23日 23時) (レス) id: 459b36b53c (このIDを非表示/違反報告)
孤爪実弥 - リクエストです!柱で吸血鬼Rギリギリをお願いします! (2019年11月4日 0時) (レス) id: cbfdcf06cf (このIDを非表示/違反報告)
かめれおん - アナウンサーしのぶさん・・・想像したら吹いた( ^o^)更新頑張ってください! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 7384021fe4 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ(プロフ) - リクエストです童磨のヤンデレが見たいです (2019年10月31日 0時) (レス) id: a9b89eb13a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - リクエストです!黒死牟と緑壱の溺愛見たいです! (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9094ec668b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むうた | 作成日時:2019年6月20日 23時