【鬼滅の刃】人斬り少女と蜘蛛の鬼

38、夢の果てに ページ40

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真っ暗な空間に一人だった。


私以外に誰もいない。

どこまで歩いても暗闇だった。


しばらく歩いたら遠くに人影が見えた。
あの後ろ姿は累だ。




「累…！」




声をかければこちらを振り向く累に安堵する。

累に手を伸ばそうとして、




「Aはもういらないよ」




手を止めた。




「目障りだからさ、消えてよ」




それだけ言い残して累は消えた。




「待って…！累っ」




私はまた一人ぼっちなの？


お兄ちゃんも、累もみんな私を置いていってしまうの？



いやだ

いやだ

1人にしないで



ここは暗い

怖い

寂しい


助けて

助けて誰か


るい


るい


累



助けて……



「＿＿＿＿A」




累の声が聞こえた。


暗闇の中に光が射した。

その光に向かって手を伸ばす。





「A」



累の声が近くで聞こえた。

ゆっくりと瞼を開けば目の前に私を心配そうに見つめる累がいた。



「……る、い………？」


「……A…魘されてたけど大丈夫…？それになんでこんなところに……、っ…！」



累が何かを言いかけてたが、私はさっきみたいに累がいきなり消えてしまわないようにぎゅっと抱きしめた。

たぶん都合のいい夢を見ているんだ。


夢でもいい、累に謝りたかった。





「……るい……っ！ごめんなさい、ごめんなさい………私累に酷いこと言っちゃった。あんなこと本当は思ってないの……累にいらないって言われたのがショックで思ってもないこと言っちゃった…。本当にごめんね…ごめんね……」




瞳からポロポロと涙が溢れた。累はしばらく驚いたように目を見開いた後、ぎゅっと抱きしめ返してくれた。


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