22、偽物の絆 ページ23
累side
本当に本物の家族だと思った。
一緒にいてすごく楽しかった。幸せだった。Aも同じ気持ちだと思った。
町に行って一緒に団子を食べてたらAが向かいのお店の髪飾りを見ていた。
赤と桃色の花の髪飾りはAによく似合うと思った。
買ってあげようか?と言ったら一瞬目を丸くしてから失礼なことばかり言ってくるから「殴るよ?」と言えば冗談冗談〜と笑って誤魔化してきた。本当に冗談なのか怪しいけど。
Aが欲しいと物をねだってくるのは初めてだった。プレゼントしたら喜ぶかな、なんて思いながら買いに行こうとして一応念押しで逃げないように言った。
逃げないよ〜と笑顔で言うAに安心する。
絶対逃げる訳ないと思ってた。そのくらい僕らは本物の絆で結ばれてると思ってた。
だけど、
戻ってきたらAがいなかった。同時に激しく裏切られた気がした。逃げた、そう思った。
こんなことになるなら手足をもいででも閉じ込めておけばよかった。外に出さなきゃよかった。
そう思って急いでAを探す。しばらく探していたら路地裏からAの血の匂いがした。嫌な予感がして急いで向かえば、上弦の鬼がAの首を持ち上げて締め付けていた。
その時Aから微かに聞こえた僕の名前を呼ぶ声に一気に頭に血がのぼった。
上弦の鬼、童磨の腕を切り飛ばしてAを抱き抱える。そしたら掠れた声で僕の名前を呼ぶ声に返事はせず抱きしめる力を強めた。
「兄弟揃って俺に冷たいなあ。まあいいや、時間はたくさんあるしね。今日はすごく楽しかったよ。
また会おうね、妹ちゃん」
「今度妹に近づいたら殺す」
またなんて二度とない。殺気を込めて睨めばハハ怖いなあと全く怖がってない様子で笑いながら童磨は去っていた。
恐らくAはあいつに連れ去られそうになっただけで逃げようとなんてしていない、そう思った。
でもなんとなく聞くのが怖かった。本当に逃げようとしてたのならどうしようと。でも確かめたかった。
「…なんで逃げたの?」
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たぴ(プロフ) - こなみさん» どストライクなんて…!ありがとうございます(号泣)頑張って描いたんで嬉しいです!応援ありがとうございます…! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - カカオお豆さん» カカオお豆さん…!いつも嬉しい感想ありがとうございます!更新もりもり頑張ります! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
こなみ(プロフ) - 夢主ちゃんの絵見たんですが可愛すぎて鼻血でました。ドストライクです!次の話の予告も夢主ちゃんどうなっちゃうのかめっちゃ気になってしにそうです…!陰ながらいつも応援してます!! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bdb7f5122 (このIDを非表示/違反報告)
カカオお豆(プロフ) - 予告の作り方上手くないですか!?めっちゃ気になるんんンンン!!!便新頑張ってください! (2019年10月21日 18時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - らにさん» わわわ嬉しい感想ありがとうございます…!一番好きだなんて嬉しすぎて泣きそうです(泣) (2019年10月19日 12時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぴ | 作成日時:2019年9月1日 11時