1、人斬り少女 ページ1
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真っ赤な血が好き
飛び散る鮮血はこの世のなによりも綺麗だから。
生きたいと叫ぶ、その細い首を思いっきり切れば吹き出る血はまるで噴水のよう。
事切れた死体を尻目にその場を去る。空を見上げれば綺麗な夜空に無数の星が輝いていた。
「綺麗…」
こんな綺麗な夜は歌でも歌いたくなってしまう。
少し歩いたところに一面に赤い花が咲いている花畑があった。そこの中心にある岩に座って歌を歌う。しばらくするとこんな鬱蒼とした森のどこからやってきたのかリスや鳥達がそろりと姿を現した。
斬り心地が良さそうだなーなんて考えながらリスに手を伸ばそうとした時、
「綺麗な歌声だね」
と後ろから声がした。その声に周りにいた小動物は一目散に森へと逃げていった。まさかこんな夜更けにまだ人が居たとは。歌に夢中で気づかなかった。振り向けばそこには白髪の蜘蛛の巣柄の白い着物を着た男の子が立っていた。
青白い肌に赤い目それにこの異様な雰囲気、、恐らく鬼だろう。
「…ありがとう」
とりあえず褒められたのでニコっと笑ってお礼を言っておく。すると彼は少し驚いた顔をした後不思議そうに私に尋ねた。
「僕が怖くないの?」
鬼は別に怖くはない。
今まで何人もの人を斬ってきた。鬼も同じように。だから今更鬼なんて怖くないし、もし襲われたら斬ればいい。
「怖くないよ」
と答えれば「変わってるね」とクスっと笑って私の隣に座ってきた。
「ねえもっと君の歌を聞かせてよ」
普段だったらどこぞの知れない鬼なんかの為に歌わないが、今日は気分がいい。
彼のリクエスト通り私はまた歌い始めた。
「………」
しばらく歌ってると隣から小さな寝息が聞こえた。眠ってしまったのだろう。私の肩にもたれ掛かって静かな寝息を立てている。
「懐かしいなあ…」
昔、私の兄もよく私が歌うと私の肩にもたれ掛かって寝ていたのを思い出す。
そう私には昔、兄がいたのだ。
もうこの世にはいないけれど。
久々に隣に誰かがいる温もりを感じながら私はまたしばらく歌い続けた。
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たぴ(プロフ) - こなみさん» どストライクなんて…!ありがとうございます(号泣)頑張って描いたんで嬉しいです!応援ありがとうございます…! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - カカオお豆さん» カカオお豆さん…!いつも嬉しい感想ありがとうございます!更新もりもり頑張ります! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
こなみ(プロフ) - 夢主ちゃんの絵見たんですが可愛すぎて鼻血でました。ドストライクです!次の話の予告も夢主ちゃんどうなっちゃうのかめっちゃ気になってしにそうです…!陰ながらいつも応援してます!! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bdb7f5122 (このIDを非表示/違反報告)
カカオお豆(プロフ) - 予告の作り方上手くないですか!?めっちゃ気になるんんンンン!!!便新頑張ってください! (2019年10月21日 18時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - らにさん» わわわ嬉しい感想ありがとうございます…!一番好きだなんて嬉しすぎて泣きそうです(泣) (2019年10月19日 12時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぴ | 作成日時:2019年9月1日 11時