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肆拾弐ノ型─ありがとうを絞り出して ページ47

ここは何処だ?

暗くて、見渡せば全部闇で、狭くて、腐ったような匂いがする

ああ、そうだ

俺は鬼の腹に閉じ込められたんだ…!

まずい、早く脱出して…




グサッ




「ぐあっ……!」





何かが首に刺さった!

何が刺さったんだ、痛い、痛い、痛い!












突然、明るくなった

鬼は倒されたのだ

俺の前には玄樹が刀を持って立って…

あれ

玄樹って





誰だっけ



………………………

玄樹サイド




「じん…ぐうじ?」





手から刀がこぼれる

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

嘘だ…!

これは悪い夢、ただの夢、朝起きたら消えてなくなるゆ…

グサッ

め…

神宮寺に、お腹を刺された

腕がお腹を貫通している

口から血が出てきた

頭がドクドクとなっている

そこで僕は、僕も、神宮寺も、もう助からない事を悟った




紫耀は震える手で刃を構えようとした





「玄樹!だいじょう…」

「来ないで!」





神宮寺、実はね、鬼の腹の中に閉じ込められてた時、聞こえてたんだ






「どのみち、僕は死ぬし、神宮寺だって僕を殺したから鬼殺隊に追われることになるんだ

神宮寺は、僕が倒す」





僕達は、何年先も、ずっと一緒に居る

そして、最後も二人で死ぬんだってね

頬を大粒の涙がつたった

もう既に、倒す覚悟は出来ていた





神宮寺は、僕の腹から腕を抜き、首を狙う

僕は急いで刀を拾って、震える手で、神宮寺の首を、斬った

それと同時に、僕の喉笛も神宮寺にかっ斬られた

さらに口から、血が、涙のように溢れ出る




僕は地べたに倒れ込んだ

もう清々しいほどに何も怖くもないし、痛くもない

皆が僕に駆け寄り、泣いている

しかし、もう声も聞こえない




すると、岸くんだけ僕のもとを離れた

そして、神宮寺の消えてなくなろうとしていた首を僕の顔の隣に置いた

岸くんは僕達の頭を撫でる





「ありがとう」






最後の力を振り絞って、笑顔と言葉を絞り出した

そして僕の命は、ろうそくが消えるように消えた

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設定タグ:鬼滅の刃 , King&Prince , 高橋海人   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:秋麗司 | 作成日時:2023年7月4日 18時

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