肆拾壱ノ型─討伐 ページ46
岸サイド
「よっしゃー!鬼め!もう終わりや!ぐうじは返してもらうでー!」
廉が突然、木から飛び降りてきた!
あれ、玄樹は?
上を見ると、玄樹が何処かを狙うように鞘から刃を抜き、枝の上に立っていた
‛‛闇の呼吸 玖ノ型 迫り来る宵闇’’
廉はどんどん落ちてきて鬼との距離を詰める
しかし鬼は全く動じない
そして鬼は、落ちてきた廉を手でわしづかみにしてしまった
やべぇ、廉が…!
しかし、俺はあるものを見て
これは作戦なんだと悟った
玄樹がものすごい勢いで落下してくる
あの廉は、囮だったのだ…!
「恋の呼吸 弐ノ型 懊悩巡る恋!」
玄樹が鬼の背後の何かを斬った途端、鬼は動かなくなった
廉がするすると鬼の手から降りてくる
「玄樹くん!」
海人が玄樹の名を呼ぶ
「神宮寺…」
玄樹は棒立ちのまま、ぽろりと言った
そして、震えながら涙を流した
「神宮寺神宮寺神宮寺神宮寺神宮寺!!!!!」
玄樹は必死に鬼の腹を裂く
そして、出てきた
玄樹は一瞬喜んだが、それがすぐに驚きと悲しみになった
出てきたのは、
猫のような瞳孔、浮き上がった血管
出てきたのは─
鬼化した、じんだった
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作者名:秋麗司 | 作成日時:2023年7月4日 18時