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「全然元気ねーコイツ。どうしたんだ?」
翌日、昨日から泣き散らかしたAは、疲れきって朝から机に突っ伏していた。
否、それは言い訳であり実際は頭の中が宇髄のことでいっぱいだったのだ。
炭治郎達と登校はしたが、ひたすらぼーっとしていたのか何度何度も名前を呼ばれて現実へと戻された。
「昨日あの後何かあったのか?」
「筋肉ダルマに何かされたのAちゃん!?」
『ううん、何もないし何もされてもないよ〜気にしないで〜…』
「いや…そんな明らかに泣き腫らした後の目で言われても説得力ないぞ、A」
そんなことを言われても事実を言えるわけがなかった。
仮にも教師と生徒という関係であり、そんな相手に恋心を抱いている話など炭治郎達にすらできない。
心配はしてくれるのは嬉しいが無理だ。
結局、Aは一日中こんな感じの調子で先生に当てられてもクラスメイトに話しかけられても常に上の空だった。
動きがあるとしても、偶に宇髄と女子生徒の口付けシーンが頭に浮かんで気持ち悪くなるくらい。
完全に宇髄に惚れ込んでいるな、と我ながら呆れた。
「え、行かないのか?あんなに毎日行ってたのに」
『うん。別に、呼び出されてもないし元々強制ってわけじゃなかったし…』
放課後になり、Aはいつも通り美術室へ行くのかと思えば行かない、とキッパリ告げた。
炭治郎と善逸は、それを聞いて顔を見合わせる。
そして、確実に宇髄と何かがあっただろうということをお互いに察した。
2人は、あんなにAは放課後毎日、宇髄の所へ行くと言って楽しそうにしていたのに一体何があったのだと心配で仕方がなかった。
「あ!!炭治郎俺たち用事思い出したわー!!今日ちょっと一緒に帰れねえや、ごめんな。…行くぞ、伊之助!!」
「ハァ!?急にどこ連れてくんだテメェ!!」
「いいからはやく!!」
善逸はそう言って炭治郎の肩をポンっと叩くと、無理やり伊之助を連れてその場から去っていく。
炭治郎は、心の中で善逸に感謝した。
おそらく今世で特に長い付き合いである炭治郎が一番Aのことを理解してあげられると考えたのだろう。
「…A。少し話さないか?」
ならばそれに応えなければ。
炭治郎は俯いているAの手を引いて、近くの公園へと歩き出した。
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甘利 柚(プロフ) - 美沙那さん» コメントありがとうございます、、!やっぱりロスになりますよね…頑張ります! (2022年2月15日 12時) (レス) id: b1ab138b18 (このIDを非表示/違反報告)
甘利 柚(プロフ) - ゆんさん» やっとちょっと復活してきました…!ゆんさんの作品見てもっと癒されようと思います… (2022年2月15日 12時) (レス) id: b1ab138b18 (このIDを非表示/違反報告)
甘利 柚(プロフ) - 蓬莱寺さん» 悪魔でページ番号をふっているだけですので、バレンタイン編を挟んだらそうなってしまいました…分かりづらくて申し訳ないです、、! (2022年2月15日 12時) (レス) @page31 id: b1ab138b18 (このIDを非表示/違反報告)
美沙那 - 遊郭編終わったの辛いですよね...。私も絶賛宇髄さんロス中(?)です😭更新はゆっくりで良いので此れからも頑張ってください!! (2022年2月14日 16時) (レス) id: bb5e1907d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 甘利 柚さん» 柚さーん!新作頑張りますね。ありがとうございます!……もう昨日ので宇髄さんロスなの私もなので思わずまたまたコメントしちゃいました…私も朝の5時まで眠れず…(笑)お互いロス症状半端ないですね。落ち着くまでゆっくりやっていきましょ…😢 (2022年2月14日 9時) (レス) @page32 id: 45bbc3e57c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚 | 作成日時:2022年2月7日 9時