91 気配がない ページ46
妓夫太郎の殺気に炭治郎は身を震わせる
そして 毒を負う宇髄を守らなければと考える
その瞬間 妓夫太郎の鎌は
炭治郎の顎先に触れかけていた
炭治郎は間一髪でのけ反り避ける
そして禰夜の刃が
妓夫太郎のその腕を斬り落としていた
宇髄と禰夜 妓夫太郎の刃が交差する中
すぐにその腕は再生する
足を引っ張っていると感じている炭治郎を置いて
攻防は繰り返される
そして その間を割って入るように
無数の帯が 宇髄と禰夜に襲いかかる
禰夜は咄嗟に 宇髄の肩を踏み台にするようにして
上から襲いかかる帯に対応する
──ヒノカミ神楽 円舞・冰──
二刀流のその刃は
舞うように円を描き 帯は青い炎に灼かれてゆく
堕姫はすぐに帯を自身で切断するようにして
燃え凍るのを防ぐ
そして屋根の上
伊之助と善逸を前に高笑いをするのだった
相手する二人は帯を避けきれず
既に何ヶ所か負傷している
そして 妓夫太郎も笑う
「クククッ 継子ってのは嘘だなあ
お前らの動きは統制がとれてねえ 全然だめだなあ」
まるで禰夜の存在を無視しているかのような物言い
先程も腕を斬れたのは
妓夫太郎が禰夜の気配を
正確に感じ取れていなかったからだ
『私が見えてないのか?この阿呆が』
空を斬る禰夜の刃は氷刃を飛ばす
無数の帯によって弾かれるが
禰夜はあまり気にしていない様子だった
禰夜は意識的に気配を消すことを身につけた
いや 正確には
殺気を殺すことだった
ヒノカミ神楽を舞う上で必要なこと
それは無になる事だった
それは相手に少しも殺気を感じさせない
そして禰夜は意識的に
全集中の呼吸とヒノカミ神楽 否 日の呼吸の呼吸を
切り替えていた
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月13日 11時