89 突破口 ページ44
帯の鬼 堕姫に守られ
妓夫太郎はまた御託を並べていた
妓夫太郎の血鎌に触れれば猛毒を浴びることになる
それを宇髄は受けているのだった
少しずつ 少しずつ 宇髄の体を阻んでゆく毒
忍として慣らされていても
鬼の毒には敵わない
『楽しそう、だねっ!』
その声と共に
宇髄と二体の鬼とのぶつかり合いで
煙が舞っていた部屋が
ぶわっ と透き通り
その瞬間 バキバキ と音を立てて
二体の鬼に向かっていく氷の刃
宇髄の攻撃で頸が落ちた堕姫と
宇髄の攻撃を間一髪で弾いた妓夫太郎は
遮られた氷の壁により 離れ離れとなる
『そっちの鬼 また頸落ちてる』
静かにそう言って宇髄の横に立つのは
禰豆子に引っ掻かれた傷以外の外傷が
見当たらない禰夜だ
「うううう!! 悔しい悔しい
なんでアタシばっかり斬られるの!!」
泣き叫ぶ堕姫に
『それはお前がそっちのより弱いからだ』
追い討ちをかけるように言葉を発する
そして堕姫が泣き叫ぶ中
「お前 もしかして気づいてるなぁ?」
心底嫌そうな顔をする妓夫太郎
「何に?」
毒に耐え 汗を流す宇髄
「気づいた所で意味はねぇけどなぁ
お前は段々と死んでいくだろうしなぁあ
こうしている今も俺たちは
ジワジワ勝ってるんだよなああ」
「それはどうかな!?」
タイミングよく現れたのは
伊之助と善逸だった
善逸はまだ睡眠状態にいる
「俺を忘れちゃいけねぇぜ
この伊之助様とその手下がいるんだぜ!!」
そこに炭治郎の姿はない
「何だ?コイツら…」
引き気味の妓夫太郎をよそに
炭治郎は上から降ってくる
そして宇髄の前に着地したのだった
その頃
街の人々は 宇髄の嫁 まきをたちによって
避難させられていた
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月13日 11時