77 蕨姫 ページ32
『もし ここの遊女かしら』
玄関口で掃除をしている女性に話しかければ
「は、はい」
と慌てて返事をした
『私 主人の代わりにここの子を貰いに来たの
"雛鶴"と言う名の子だけれども いるかしら』
そう口にすれば
慌てたように吃る
「雛鶴さんは病に伏していると…噂で…」
それは外でも聞いた
「誰だい そいつは」
そう気配もなく奥から現れたのは
京極屋の花魁 蕨姫 だった
…あぁ 鬼の匂いだ
それにこの強烈な匂いは
どれだけ人を喰ったのか
上弦に匹敵するほどだ
『これはこれは 蕨姫様
私主人の代わりにここの雛鶴を貰いに来たものです
ですが雛鶴はもういないとのこと…
蕨姫様は何かご存知ないでしょうか』
この気配にこの威圧
大丈夫 普通にしろ
一般人を装え
「誰に向かって口聞いてんのよ
それに何よそのふざけた髪の毛
目立ちたいのかい?」
ゾワッと 背筋が凍るような感覚
『失礼いたしました』
そう控えめに頭を下げると同時
腹にとてつもない衝撃が走り
扉を突き破って外に突き飛ばされた
咄嗟に受け身を取ろうとしたが
受け身をとれば鬼殺隊だとバレてしまう
そう判断しそのまま地面に叩きつけられる
『ぐっ』
肋が何本か折れた
起き上がるのをやめ 耳だけを傾けると
旦那さんがやってきて 蕨姫 を止めている様子だった
「…あんた 大丈夫か?」
周りには人が集まってきていた
さてと そろそろ匂いも遠ざかったみたいだし
宇髄さんのところに戻らないと
『大丈夫ですよ お気にせず』
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月13日 11時