鬼の瞳隠して人の瞳隠さず

丗肆話 ページ35

...A視点...





甘「『ご馳走様でした』！」





あの後、甘露寺さんはあの量を数十分で食べ終わってしまった


最後にデザートも頼もうとしていた時は本当に驚いた



甘「一緒にご飯食べれて楽しかった！お互い、頑張ろうね！」



お店を出た後、甘露寺さんに急遽任務が入りそこでお別れとなった





それにしても全然任務来ないな...



平和なのはいいことだけど...







また適当に町をぶらぶらと歩いていると後ろの方から叫び声が聞こえてきた






「キャァァァァァ！！ひったくり！」





叫び声がした方に目を向けるとちょうど、犯人と思わしき人物が荷物の入った風呂敷をか抱えて走っていた



犯人は周りにいた人を突き飛ばしながらどんどん逃げて行く





鬼よりはマシだけど...こういう人達もいるからなぁ...





「どけ！！」と叫びながら人混みから抜けようとしている




捕まえるぐらいなら私でも出来る




ちょうど私の近くにきた犯人の腕を素早く掴み、人がいない方へ投げ飛ばす




「ガッ...！！」


『......』






地面に倒れて動かない犯人の手から荷物の入った風呂敷を取る






意外と弱かった...





犯人を追っていた女性が後ろから走って来ていた







『犯人なら捕まえました。荷物は無事です』






ポカン、としている女性に荷物を渡し、後は警官に任せようと思い去ろうとした瞬間、羽織の裾をいきなり引かれた






『？』






羽織の裾を引いたのは先程の女性だった





「さっきの彼奴は警官に任せたんで大丈夫です！それより助けていただいた御礼がしたいんですけど...」






別に御礼とかいいのに...





『大丈夫です...それでは...』




今度こそ去ろうとした瞬間、また羽織の裾が引っ張られる




......？




「私が御礼したいんで！！私の家、和菓子屋なので良かったら来て下さい！」





そしてその女性に腕を引っ張られ結局、彼女の家に行くことになった





本当に平気なのに...






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

大正コソコソ噂話

実は"和菓子屋"という単語にAは少し反応してたんですよ

丗伍話→←丗参話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す