147.共感 ページ11
『二人共そんなに怒らないでください。』
胡「で、ですが...」
甘「許されることじゃないわ!」
そう、許されることじゃない。でも、この人も人間だった頃辛い思いをした。
私は鬼の前に座った。
「なんだ、どういうつもりだ?自分からやられに来たのか?」
『辛かったんですね...誰かに助けてほしくて仕方なかったんですね。』
「何を...わかったように言うな!ほら、さっさと斬れよ!お前は俺のこと憎んでるんだろ?」
『憎んでませんよ。やり方はどうかと思いますけど...貴方は自分の気持ちを誰かに分かって欲しかっただけですよね?私は貴方から恋心を奪われたけど、辛くなったり悲しくなったりはしなかった。』
「なにを...」
『もともと恋というものはよくわからなくて、でも、恋する気持ちに気づいてからは苦しいと思う時期もあった。』
少し泣いた時期もあったかな。
『あなたのしたことは許されることじゃない。でもね、貴方も同じ経験したなら分かりますよね?』
「...」
『私はね、極力鬼の頸を斬りたがらない主義なんです。鬼と仲良く出来たらと思うくらいに。』
私は鬼を抱き寄せた。
「な、何をする!」
甘「Aちゃん、何してるの!?危ないわ!」
『大丈夫です、蜜璃さん。』
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作者名:あかりんご | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HQakaashirabu/
作成日時:2020年7月5日 17時