夢小説を書いてて思う事

最初にオチを考える。

感動的で、でも読んでくれる人がびっくりするようなオチにする。
できれば原作の世界観に関与している話だと望ましい。


完全にオチが固まったら次は伏線を張っていく。ここで重要なのはこっそり隠すこと。
丸見えだと後の展開が読めてつまらなくなる。
気づかれないよう各話にコソッと忍ばせる。会話の中でも情景でもいい。

ここで上手に隠せると後々コメントを見るのが楽しみになってくる。


まだ見ぬコメントにニヤニヤしながら展開を考える。
恋愛だからどのように発展させようか、伏線を交えて大まかなストーリーを構築していく。


最後はギャグと会話分。ここで読者に笑ってもらえるとぐっと読むスピードが速くなる。
クスッと笑ってもらえるくらいがベスト。苦手なら無理して書かず身の丈にあった笑いにする。



展開に沿って一話ずつ丁寧に書く。言葉の意味も調べて読むスピードやテンポを考えて
くどくなくあっさりしすぎない文章にする。
それでも伏線はこっそり張るしギャグだって挟む。
もちろんキャラ崩壊もなし。あの子はこんなことを言わない、と思えば書いた文章をまとめて消す。
一から考え直しである。


心情描写なんてめちゃくちゃ描きたいところだがぐっと堪える。
長ったらしい修飾語がついた文は減速の元である。さくっと省略する。


書いて消してを繰り返し納得の作品に仕上がった頃ふと思うのだ。



私の色がより濃く出ていることに。


登場しているのは原作を読んで心震わせたあの人ではない。



私が再構築したキャラクターになっているのだ。









この趣味は小学生の頃から始まった。
好きなキャラとおままごとみたいな恋愛を書いて喜んでいた。
キスしたりハグしたり自分の脳味噌で考えうる最大限の愛情表現をぶつけていた。

年を重ねるにつれ語彙力は増え文章は長くなっていく。
絵描きが筆を選ぶように物書きは言葉を選ぶ。
あの素晴らしい意志を持ったキャラクターを表現するため彼を表す言葉には人一倍気をつかった。



漫画を全力で読むようになった。

一コマずつ表情を確認して彼の性格をとらえるようにした。

癖のある喋り方はアニメで練習した。
録画したものを何回も流してイントネーションが揃うまで声優さんのまねをした。


間違いは大好きなキャラクターに対する愚弄である。
誰に言われたわけでもないが自発的にそうなった。


そこまでくると止められなかった。




もっと彼のことが知りたくなった。



どんな話を好むのか仲良くなる順番はどれなのかどんな表情をするのか何が禁句なのか

まとめ買いした漫画に付箋をつけ反応集を作る。
溜まれば溜まるほど彼のことがわかる気がした。
例え原作に出ていないことでもストックを見ればおよそ想像できるようになった。



癖は？好きな人にする態度は？夢は？覚悟は？普段何を考えて生きているの？




いつしか小説を書くために漫画を読むようになっていた。



しかし好きなキャラは今も変わらず好きだ。
これは間違い無く断言できる。

これがキャラに対する愛なのか小説を描きたいだけなのかよくわからないのだ。