第8話 兄ちゃん�� ページ31
.
−−−ヒュウウウ
「(あの時、アイツも同じ音を立てた。風が逆巻くような音だ)
鱗滝！！！」
手鬼は昔の出来事──鱗滝に捕まった時のことを思い出し、鱗滝と同じ音を立てるAを昔に重ねて見ていた。
−−−ザンッ
手鬼の頸は斬られ、地面に落ちた。着地したAと崩れゆく自身の体を、手鬼は傍観することしかできない。
「(くそっくそっくそォオ！！死ぬ！！体が崩れていく…止められない。どうせアイツも汚いものを見る目をするんだろう。蔑んだ目で俺を見るんだ。くそっ、目を閉じるのは怖い。でも首の向きを変えられない。最後に見るのが鬼狩りの顔なんて──…)」
Aが悲哀の瞳で、手鬼の頸を見つめる。瞬間、手鬼の過去の記憶が甦る。
━━━━…どうしてこんなことに
━━━━兄ちゃん怖いよ、夜に独りぼっちだ
━━━━俺の手を握ってくれよ、いつものように
━━━━どうして俺は兄ちゃんを咬み殺したんだ
━━━━……あれ?兄ちゃんって、誰だっけ?
握ってくれよ、というように差し出された手。Aは手鬼の悲しみの匂いを嗅ぎとり、そして、そっと手を握った。ぽろぽろと、手鬼の目から涙が零れた。
「神様、どうか、この人が今度生まれてくる時は、鬼になんてなりませんように」
━━━━兄ちゃん
━━━━兄ちゃん兄ちゃん、手ェ握ってくれよ
━━━━しょうがねぇなあ、いつまでも怖がりで
黄泉の国で再会した二人は、暗い道を二人、歩き出した。手鬼は、今度はもう、怖くない。“兄ちゃん”が手を握ってくれるから。
手鬼が灰になって消えるのを最期まで見届けたAは、悲しそうに顔を歪めた。
錆兎、真菰。勝ったよ。もう安心していいよ。殺された他の子供たちもきっと、帰るという約束通り、帰ったんだよな。魂だけになろうと、大好きな鱗滝さんの所へ。故郷の狭霧山へ。
死んでいたら俺の魂も帰った。禰豆子と鱗滝さんのいるところに。
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眠いちゃん - 普通の人間なら頭から大出血しているだろうで笑った…w 面白い！鬼滅の刃のシリアスがいい感じに出てる (2023年1月4日 20時) (
レス) @page21 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ@不定期更新(プロフ) - ゴウセルさん» コメントありがとうございます！錆兎オチは「再開と約束と××と」というタイトルで既に書いていますので、良ければ読んでいってください！！＾＾ (2019年11月13日 13時) (レス) id: 7fd439868f (このIDを非表示/違反報告)
ゴウセル - 錆兎オチはどうでしょうか (2019年11月12日 23時) (レス) id: ad14fd1275 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ@不定期更新(プロフ) - 琴音さん» コメントありがとうございます！もちろんですとも！！承りました！！！ (2019年9月5日 9時) (レス) id: 7fd439868f (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - 初コメ失礼します！宇髄さん落ちって可能ですか？？可能でしたらぜひ!お願いします！ (2019年9月4日 21時) (レス) id: 2a37d15bcc (このIDを非表示/違反報告)
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