蛇柱と天柱 弐

桜田「陸拾捌。」 ページ30

　


伊黒「桜田の想い人は、」







伊黒「――――――――――――冨岡か？」









桜田「・・・・え？」





伊黒「・・・・冨岡の前のお前はどうも違う。」

伊黒「『格好いい』などと呟いてもいるだろう。」



伊黒「事実を言え桜田。」



真剣な表情な伊黒。



でもね・・・。






　









桜田「違ッッうわこの馬鹿が！！！！！！！」






桜田「馬鹿！！阿保！！馬鹿！！阿保！！馬鹿ァァァァ！！！！」




伊黒「・・・・なっ・・・！！！」




伊黒「どう考えても冨岡がお前の想い人だろうが！！」


伊黒「というか馬鹿とはなんだこの鼠馬鹿が！！」




桜田「だぁーかぁーらぁーーーー！！！違うってば！！」

桜田「馬鹿は馬鹿だそのまんま！！！」





桜田「大体私の好きな人は義勇さんよりもずぅぅぅぅーーーっと
　 馬鹿ですぅ！！！義勇さんほどかっこよくありません！！！」


伊黒「やはり冨岡じゃないか！！！」


桜田「ちーがーう！！！」




桜田「もっと「もちもちねばねばネチネチにょろにょろ」なやつだもん！！！！！！」



伊黒「お前本当は嫌いだろうそいつのこと！！！！！」



桜田「大好きだばーか！！！！！！！！」









息が切れる。


ぜぇぜぇと荒い息をする。




・・・・伊黒気付いてないけど・・・・



今私告白した！！？




いや気付いてないからしてないことになるのかな・・・？



伊黒「・・・？「もちもちねばねばネチネチにょろにょろ」・・・？？」





はっ、気付かれた！？





伊黒「甘露寺のことか・・・！！？」

桜田「蜜璃さんに謝れこの蛇馬鹿が！！！」






伊黒「だが、もちもちじゃないか？甘露寺。」

桜田「うぐぅ・・・！！否定できない自分がいる・・・！！」






桜田「と・に・か・く！！！私の好きな人は義勇さんじゃないから！！！！」



すると伊黒は溜め息をついて立っている私を見上げた。


桜田「何さ。」






伊黒「・・・いや、・・・安心しただけだ。」







桜田「？何に？」




伊黒「この鼠馬鹿めが・・・・。」







伊黒はもう一度溜め息をついた。

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