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伊黒「伍拾参。」 ページ12

私たちは少し喋ったあと、すぐに父の部屋の方を向いた。

桜田「・・・開けるよ。」

伊黒「・・・。(コクッ」



―――サァァッ


と襖の開く音がする。

・・・真っ先に目に入ったのは




―――散らかった、紙だった。




伊黒「・・・あの男が毎日掃除しているのではないのか。」

桜田「・・・・蒼空翔は多分、あの日のまま、
  残してくれてたんだと思う。」

伊黒「何故。」

桜田「・・・私が「真実」を探しに帰るって、・・・信じてたんだと思う。」

伊黒「・・・・・・。」

伊黒「・・・紙を纏めるぞ。」

桜田「うん、まとめてみよう・・・!」


一枚の紙を拾ったとき、私は固まった。




 




それは、





 




父の、







 









日記だったからだ。






 








『十一月二十四日、

  今日俺に子ができた。陽奈(はるな)に『貴方に目元がそっくりですね。』

  と笑われた。名前はA。

  この子も桜田家の名に恥じぬような立派な剣士になって欲しい。

  天柱の歴史を守って欲しい。

  ・・・・願いを押し付けすぎるのもあまり良くないな。

  たとえこの子が柱に成れずとも私はこの子を愛そうと思う。』







 









桜田「・・・・父・・・さん・・・。」


自然と涙が溢れた。

止まらない。



伊黒「・・・・。」

伊黒は黙ってずっと紙をまとめてくれている。

そっとしてくれているのだろう。



・・・陽奈(はるな)って・・・私の母だろうか。



よく叔父さんが私の母のことを話していた。

私が幼いころ病気で亡くなったって。

覚えてないくらい幼いころだったらしい。



私はもう一枚日記を拾った。



『八月十七日、

  今日は空莉(くうり)と飲みに行った。

  あの野郎いつあんなに酒に強くなったんだ。

  俺が弱すぎるだけなのか。知るか。

  でもAの寝顔を見たらどうでもよくなった。

  可愛らしい娘ができて俺は幸せだと思う。』




桜田「クスッ」

空莉(くうり)とは叔父さんのことだ。

仲良かったものね。



桜田「・・・・。」


今日だけで、

このたった二枚の父の日記を読んだだけで父さんの

印象が大分変わった。





全部読んで行ったら真実はわかるだろうか。





この日記に全部目を通したら叔父さんの部屋にもいってみようかな。

桜田「伍拾肆。」→←桜田「伍拾弐。」



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- 桔梗さん» ひゃっふぅ。(^-^ (2017年10月25日 22時) (レス) id: bc9c1dd6c2 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - お疲れ様 (2017年10月21日 17時) (レス) id: 99f9ade5b5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ヨモギさん» 有難うございます!(●´ω`●) (2017年10月15日 23時) (レス) id: c21cec3906 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ(プロフ) - 仁さん» 1章も昼間見てました!良かったですね、 (2017年10月15日 23時) (レス) id: 96e96e60af (このIDを非表示/違反報告)
- ヨモギさん» 読みましたよ〜。憧れの仁さんて 笑 有難う嬉しかったです(^-^) (2017年10月15日 21時) (レス) id: bc9c1dd6c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年8月21日 20時

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