恋に落ちる音がした

2日目 side主人公 ページ3

ある日、師匠から連絡が来た


近いうちに教え子が鬼殺隊に入隊すると


そしてお前さえ良ければ継子にしてやってほしい……と、


『継子……か』


前にも師匠の教え子が入隊してきたな


確か名前は……獪岳、だったかな


その頃は俺も任務が忙しく、会う機会がなくて


気づいた時には姿を消していたっけ


『我妻……善逸、か』


どんなやつだろ


でもまぁ師匠の元で育って、鬼殺隊に来るくらいだから中々の強者か？


だから、その時は我妻に会えるのを楽しみにしていた


なのに


それなのに


『我妻善逸……ってどいつ』


蝶屋敷居るって聞いて会いに来た


まぁ聞かなくてもどれかなんて分かってたけど、師範としての威厳を保つために少し怖めにいけば


顔を真っ青にして怯えた少年が目に入った


確か、師匠から聞いていた我妻善逸の特徴は


金髪で変な髪型だっけ。


周りを見渡しても金髪なのはその男だけだ。つまりあいつが我妻善逸


(嘘だろ、とでもねぇ弱味噌じゃねぇか)


俺に気づいたアオイちゃんが我妻のことを教えてくれたからアイツで間違いねぇ


まさか期待の継子がこんな弱味噌だなんて思わないじゃないか


(師匠……たった今、師範としてこいつの指導をしていく自信をなくしました。返品してもいいでしょうか)


いかんいかん。こいつは俺の継子になるんだ。いずれは柱の座も継いでもらわなきゃいけない


次に俺はできるだけ心を開いてもらえるように、頑張って笑顔を作り


『初めまして…君が我妻善逸君？』


『俺は榊A。今日から君の師範になる』


そう言って、手を差し伸べた

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