*3話 ページ4
けど、こんな感情は知らない。
頭が真っ白になって、心の奥底が黒くて、今、目の前にいる男を殺したいというこの感情を。
・
・
「青い彼岸花はどこだ。」
黒髪に、赤い瞳。蜥蜴みたいに、縦長の瞳孔を持つ男だった。
淡海の首を掴み、軽々と持ち上げ、氷よりも冷たい空気の中でその男は言った。
淡海は、持ち上げられ、首を絞められ、苦しいだろうに尚も気丈に笑う。
「青い彼岸花…ッ…お、まえ…みたいな、やつがいるから…ぐっ…もやし、た」
その言葉を聞いて、男は目を見開いたあと不愉快そうに淡海を壁にぶつけた。
「かはッ…」
『淡海っ!』
咄嗟に淡海に駆け寄る私を見て、男は怪訝そうな顔をした。
「…貴様は、何者だ。そのような奇妙な容姿をしていて、人間とは。」
「Aに手を出すなッ!」
「黙れ。」
赤い、赤い水滴が舞った。
淡海が裂かれた。
即死、だったのかもしれない。
淡海は、ピクリとも動かなくて、ただただ、彼女から溢れ出す赤い血が小屋の床を満たす。
『ぁ…え…おう、み…?』
____________________
Aの髪は、雪のように白くて、白真珠のように輝いているね。
_____________________
淡海
______________________
その真紅の瞳は、晴れた空の夕焼けを思い出すよ。
_______________________
私を、唯一愛してくれた人の命の灯火が消えた。
『お前…お前ッッ‼』
壁に立てかけてあった木を切るときに使っていた斧を掴み、大きく振り上げて男に向かって走り出した。
そんな私に対して、男は無表情。
焦ることも無く、腕をたったの一振で私の持っていた斧を吹き飛ばし、そのまま私の首を掴んで、壁に押し当てた。
『うぐッ…』
「お前如き人間が、私を殺そうなどと…愚かな。」
『だま、れ…!』
「…憎いか、この私が。
だが、その老婆が死んだのはお前が不甲斐ないせいだ。
お前は、私が老婆を殺そうとしているのを見ておきながら、何も出来なかった。」
『黙れ…!』
「愚かで馬鹿なお前に、私から良いものをやろう。
私と、同じ存在になれる贈り物だ。
受け取れ。お前が、耐えきれるかどうか、見物だな。」
そう言って、男は私の首になにかをさした。
249人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍恋(プロフ) - カナリアさん» ありがたいですぅうう (2019年9月30日 13時) (レス) id: e4a0379987 (このIDを非表示/違反報告)
藍恋(プロフ) - 人形師さん» ありがとうございますっ! (2019年9月30日 13時) (レス) id: e4a0379987 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 面白い!!感動します!続き気になります!更新頑張ってください! (2019年9月12日 14時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 好きぃぃ(>ω<)大好きぃぃ(*´-`)面白いし感動しました!続きが気になります! (2019年9月10日 21時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
藍恋(プロフ) - セシルさん» いえいえ (o^^o) (2019年9月9日 16時) (レス) id: b8dca656ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍恋 | 作者ホームページ:http://puchiamatheater
作成日時:2019年8月29日 20時