【鬼滅の刃】鬼になるなんてどうかしてる

（肆）どうやら保護（捕獲）されたようです ページ7

見慣れない天井に 嗅ぎなれない匂い



(どこだここ？)



起き上がろうとするが 体が、動かせない



……縛られてる？




縄を外そうとモゾモゾ動いていたら ｽｯと首筋に
ひんやりとしたものがあてがわれた



「怪しい動きをしたら、斬る」



え....なんでぇぇぇぇえｯｯｯ！！！！！！



目覚めて早々に刀向けられてるよ！！斬られる！？




「〜〜！ ｯ！？〜〜〜！！！！」




って声も出せねぇぇぇぇぇ！！！？





これはもう完全にパニックだよ






『義勇、落ち着け そやつからは抵抗する
気配は感じられん』




「………………。」





あっ刀 納めてくれるんだ 案外やさしい？





「次、また暴れようとしたら───斬る」





前言撤回、お面の人に従順なだけだったようですね





「………むぐっ んん〜〜！」

ちょっと苦言を呈しただけのつもりだったんだけど







ｽﾊﾟｯ




「──────ｯ」


その男の一閃で
ﾊﾗﾘ と口に嵌められていた布が落ちる








(うご、けなかっ……た)

私は目を見開いたまま固まってしまった





(嘘だ……鬼の動体視力でも見切れないなんて

それってもはや人間じゃないだろ！？)




でもこれで喋れるようにはなったわけだ






「あ、あー、ぇｰと…………ありが…とう？」




……自分で言っといてあれだけど“ありがとう”ってなんだよ しかも疑問形




もっと何か聞くことあっただろ、おい




「「………………………」」




ほらなんか微妙な空気になっちゃったよ




「……えーとですね、あのー助けていただいたってことでいいんでしょうか？」




まずはこれを聞いとかなきゃだよね


まぁこの雰囲気からして 気を失った私を保護してくれたんだろうけど





「…………………いや」







「“いや”！？えっ嘘、違うの？殺されるの？

絶対守ってくれる流れだと思ってたのに！！」





──なんてことだ お決まりのパターンだと信じて疑わなかったけど



考えてみりゃ私 鬼だもんな！！



世界はいつだって私に優しくないっ！






『なに、鬼狩りが鬼を生かしたというだけで
おぬしは随分な待遇と言えるだろう』









ガッデム！！！！！！？






まさか噂に聞く鬼狩り様だったとは！

チクショウｯ なんて心強い敵だ！


鬼じゃなかったら大喜びだよ！！！！






いやはや、これで逃げの一択しかなくなった訳だ





目の前の二人実力は分からないけど





(逃げるしかない！)

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