*はじめての 3【煉獄杏寿郎】

　◇ ページ43

.

【番外編：杏寿郎さん】









＿＿＿＿柱合会議前





.





「杏寿郎さん」


忘れ物を取りに屋敷に戻るとAの声が聞こえてきた。

何をしているんだ？

俺の名を何度も何度も繰り返し呟いている。




もしや....

名を呼ぶ練習か？


いやそんな可愛い事があってたまるか。



「煉獄杏寿郎さん」



よもや、まさか昨晩の事を気にしているのだろうか。





＊＊＊




「それで君はいつになったら下の名を呼んでくれるんだ」

「...今日から呼びます」

「そう言ってもう何日経ったと思っている！」

「...すみません、しかし」

「しかしじゃないだろう！
何故抱かれている時は呼べるのに普段は「やかましいです」


冗談まじりにこんな会話をしていた。






＊＊＊





「杏寿りょ、しゃん」




ッッッッッッかっ、噛んッッッ


よもや......


いかん、これでは柱合会議に遅れてしまう。
見なかった事にしよう。


「.......」


最後にその姿を焼き付けようとAを見る。

空を見上げて何か考えてるようだ。




「....煉獄A...んふふ」






.........。






「抱いていいか！！！！」

「...っ、きょ、煉獄さん？！な、柱合会議に行くって...」

「忘れ物を取りにきた。それより何をしているんだ」

「...い、いえ、別に」



逃げようとするAを後ろから抱きしめる。



「何をしているんだ？」

「...っ...」

「あまり俺を困らせるな、
これでは会議に遅刻してしまうだろう」

Aは首まで真っ赤にして固まってしまった。

「うむ、遅刻するわけにはいかん
とりあえず帰ってきたら詳しく聞かせてもらおうか」

「......」

「では行ってくる」









.








.









「...行ってらっしゃい。杏寿郎さん」




.

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←　◆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す