*はじめての 3【煉獄杏寿郎】

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「....煉獄さん、起きて下さい！大変です！」

慌ただしい声で眠りから覚めた。

「肝心な味噌がどこにもありません！」

あの言葉の意味をストレートに受け取り、

せっせと味噌汁を作ってくれていたようだ。

結局不死川と冨岡が来たせいで
誤解させたままだった事に気づく。

起きたばかりで頭も回らないし
プロポーズの言葉を他に考えていなかった俺は
日を改めて、伝える事にした。

「...それは仕方ない、今日は作らなくていいから、こちらにおいで」

「い、いえ...野菜も出しっぱなしですし
まだ火も消えてないので戻って片付けてきます」

Aはそう言って台所へ戻って行った。

再び横になり、ふと昨日の事を思い出す。



『私はどんな貴方もすべて受け入れたいと....そう、言いましたよね』

思いもよらない言葉に少し困惑していると、頬に小さな手が添えられた。

その手はとても冷たくて、少し震えていた。

どうしたものかと頭を悩ませていると
Aがにこりと俺に笑いかけてきた。

その表情がたまらなく愛おしく

嫁にすると心に強く決めて、Aを抱いた。






それにしても＿＿＿





『...っ、...、...杏寿、郎さ、っん...、』


あのAが、あのような姿を見せるとは正直驚いた。


事が終わってから、風呂に入った時も
俺が君の身体を清めてやろう、と冗談で言うと
照れながら、お願いしますと言ってきた。

普段なら俺を殴り飛ばしてでも嫌がっていただろう。

昨日はどうしたってくらい素直で

結局三回も抱いてしまった。




＿＿＿＿＿＿煉獄さん、起きてますか？



いかん、下半身がよもやだ。


「...まだ寝ていたんですか？そろそろ起きて下さい！」

「うむ！起きているぞ」

布団から立ち上がり、
Aを後ろから抱き締める。

エプロン姿がたまらない。

「....っ...、...あたってます」

「君の事を考えていたらこうなってしまった。抱いていいか」

「だ、だめに決まってます」

少しからかってやろうと耳に口づけすると
力が抜けたように俺に体重を預けてきた。

「...っ、いい加減にしてください！怒りますよ」


俺はこの怒りますよ、がたまらなく好きだ。

こう言って怒ってきた試しがない。


「朝食を作ってくれたのか？」

「はい！もう食べられますか？」

「うむ！君を食べた後にいただこう！」


Aはドンッと俺を突き放し
逃げるように台所へ戻って行った。


相変わらず冗談が通じないようだ。


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