*はじめての 3【煉獄杏寿郎】

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宴は料亭にて行われた。

広間に着くとすでに数名の隊士が
料理を囲むように座っていた。

席札はなく空いている所に座る形式らしい。


「なんだ、緊張しているのか？」

「ええ、少し.....」


視線が痛いな....なんて思いながら
煉獄さんの隣に座ると宇髄さんがやってきた。

髪の毛を下ろしているせいか別人みたい。

宇髄さんは私を見るなり
眉間にシワを寄せて固まってしまった。

「......？」

「だ、誰かと思ったらお前か。一瞬分からなかった」

「宇髄さんも雰囲気がだいぶ変わりますね」

「.....ゴッホン、
宇髄、君は俺の隣に座りなさい」

「なんで俺がお前の隣に座らないといけないんだ」

結局宇髄さんは煉獄さんの隣に座り
私の左側は空席のまま宴がスタートした。

煉獄さんと宇髄さんは焼酎を飲んでいて
未成年の私はオレンジジュースを飲んでいる。






「...お酒は強いのですか？」

「うむ！少々顔は赤くなるが問題ないだろう！」

「何が問題ないだ、この前のあれを忘れたのか」




宇髄さんから聞いた話によると...

前回の宴会で
酔った煉獄さんが料亭にいるお客さんに
「君も鬼殺隊に入らないか！」としつこく勧誘し

挙句の果てには「今日は俺の奢りだ！」と
まったく知らない人の飲食代まで支払ったらしい。

その後、お父様に酷く叱られたとの事。



「あの日は任務帰りだったからな！身体が疲れていたのだろう！」

「ふふ、お父様に叱られている煉獄さん想像つかないですね」



すると冨岡さんがきた。

辺りをキョロキョロと見回している。
どこに座ろうか迷っているみたいだ。

「ここ、座りますか？」

「........」


冨岡さんは無言で私の隣に座ってきた。

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