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翌日も熱が下がらなかった。
「気分はどうだ!少しは良くなったか?
胡蝶から鎮痛剤と解熱剤をもらってきてやったぞ。飲めるか?」
あまり顔色も良くないようだ。
「呼吸法を習得できて本当に良かったです。これも煉獄さんが私の攻撃は隙だらけだ!とキツく言って下さったおかげです。宇髄さんにも感謝しないとですね」
どうやらお互い何か勘違いをしていたようだ。
本当に君とは噛み合わんな。
「....手を」
差し出された小さな手に手をのせると
Aはそっと自分の頬へと擦り寄せた。
即座に視線を逸らす。
「そんな事で怒っていたのですか?
心配せずとも私は日々煉獄さんに想いを寄せております。
頭の中が常に煉獄さんでいっぱいいっぱいで少し困ってしまいますが.....ふふ」
あまりの可愛さに俺は天井を見上げていた。
「ずっと私のお傍に居てください.....杏寿郎さん」
「ん゛んっ゛」
きょ........
「まあ......その、なんだ、あれだ」
(いくら高熱を出して意識が朦朧しているとは言え突然プロポーズをしてくるとは驚いた 唐突すぎるだろう 心臓が飛び出してきてしまいそうだ 落ち着け 今言わなくていつ言うのだ 男を見せろ いやなに俺もずっと言おうと思ってはいたんだ タイミングを逃してしまっていたが 君がそこまで言ってくれたのだ 言おう)
「....毎朝俺に味噌汁を作ってくれないだろうか!」
「_____」
Aを見ると熱があるとは思えないほど
幸せそうな顔で眠っていた。
また後日改めて言おう。
しかし呼吸法を習得したと言うことは最終選別が近いということ。
____七日間も生き延びる事ができるだろうか。
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『.........私に剣術を教えて下さい』
『私は...その.....なんとお呼びしたら...いいですか』
よもや目の奥が少しジンとしてきてしまった。
思わずAを抱き締める。
「....ん、どうされましたか?熱が移ってしまいますよ」
「........」
「ふふ、しょうがないですね」
Aは俺の頭を優しく撫でてくれた。
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作者名:もち | 作成日時:2020年11月16日 19時