検索窓
今日:58 hit、昨日:55 hit、合計:612,956 hit

 80 ページ38

.







後ろを振り返ると
殺気に満ちた煉獄さんの姿があった。

「いつからいたんだ?つかその殺気はなんだ。喧嘩売ってんのか」

「宇髄に刀を向けたあたりだ。何を話していたのかは知らんが。それにしても素晴らしい闘気だった!さすが俺の(・・)Aだ」

その言葉とは裏腹に額の血管は浮き上がり
煉獄さんの周りの空気だけピキピキと音を立てている。

それはまるで身体に炎を纏っているかのように



「で、Aに何をしたんだ」

「はァ?俺は何もしていないが」

「嘘をつけあれ程憎しみを纏った姿など今まで一度も見たことがない何をしたのか正直に話してもらおう返答によっては徒では済まんぞ」

珍しく煉獄さんが早口になっている

「ま、待ってください。宇髄さんは悪くないです。
何故一方的に怒っているんですか?いくらなんでも失礼です」

「(こいつらまじでめんどくせえな)」






宇髄さんが一通り説明してくれた

「そうか!うむ!なるほど!それはすまなかった!」
「は〜だりい俺は帰る」
「あ、あの宇髄さん」
「まあ頑張れ」

宇髄さんはひらひらと手を振りながら行ってしまった。








「なぜ森へ?」

「様子が少しおかしいと思ってな。
気になって屋敷に戻ったんだがAがいなかったので鴉に聞いたのだ。それより何故隙を見せた」

「私に隙なんてありましたか?」

自分で言うのもなんですが
隙なんて一ミリもなかったと思います。

煉獄さんに刃を向ける鬼を
殺したい一心で刀を持ちましたし。

あの瞬間は
枯葉の落ちる音ですら聞き逃さないほど
身体中の神経が集中していましたよ。

なんて言えない






「隙があるからあのような事になる」

そこまで怒らなくてもいいのに

本当に厳しいお方だ

「すみませんでした。明日から頑張ります」

「頑張らなくとも意識さえすればすぐにできる事だろう」

私は煉獄さんみたいになんでもかんでもすぐにこなす事なんてできないのです。

悔しくて少し腹がたってきた。

「努力します。では明日もよろしくお願いします」

私は煉獄さんの返事も聞かずその場を立ち去った。







翌日


煉獄さんの機嫌は未だかつてないほど悪かった。

休憩がない時点でどれだけ腹を立てているのか分かる。

「なんだもう終わりか?立てないなら帰っていいぞ」

「いえ、この程度では余裕すぎて笑ってしまいますね」

煉獄さんに対する悔しさと
自分に対する怒りが最高潮に達した私は

壱ノ型ができるようになった。

.

 81→← 79



目次へ作品を作る
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1556人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もち | 作成日時:2020年11月16日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。