*はじめての【煉獄杏寿郎】

　25 ページ25

.






つい数日前からAに木刀を持たせたが、なかなか苦戦していた。

いくら強くとも剣術で躓き、隊士になれなかった人を今までたくさん見てきたがセンスはある。

あまり気を落とすなと勇気づけてはいるのだが、落ち込むので今日は気分転換にAを菓子屋に連れてきた。


「.....！」

Aはプレゼントを開ける子供のように目が輝かせている。

その姿がとても新鮮でしばらくその横顔を眺めていた。


すると何か言いたそうな顔でこちらを見てくるので、どうしたと問いかけると何個まで買っていいかと聞いてきた。



「.......店ごと買い占めてもいいぞ！！！！」

「いやさすがにそれは...」

「遠慮は無用！食べたい菓子は全部持ってきなさい！」

結局最後の最後まで遠慮してきたので追加で大福詰め合わせパックを買ってあげた。

店を出ると買った菓子を食べれるスペースがあったので食べて帰ることにした。





「うまい！」

「.....！」

Aは美味そうに大福を食べている。

それにしてもなぜ一口で食べられるような小さな菓子を、四回にもわけて食べるのだ。

「足りなかったら追加で買ってきてやるぞ！」

「ふふ、ありがとうございます。
煉獄さんの食べているパンはなんですか？」

「これはメロンパンというものだ！」

すると驚いた顔でメロンが入っているのかと聞いてきた。



「........メロンは入っていないが.....まあ食べてみろ！」


食べかけのメロンパンを差し出すと
少し困った顔をしたので手でちぎって口に入れてやった。

.

　26→←　24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す