*はじめての【煉獄杏寿郎】

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今日から念願の木刀稽古が始まった。



「初めはこの木刀からだ！」

「.....！」

「だいぶ重いだろう！これは素振り用の木刀だ。
通常の木刀の二倍は重いから足に落とさないようにゆっくり振り下ろしてみなさい」



「....こうですか」


「少し違うな、

まずは腕の力を抜いて木刀の重さだけでゆっくり振る


..........うーん違うな、そうではなく木刀に集中だ。腕に力が入っているぞ！」



腕の力を抜こうとするとうまく力が入らずフラフラしてしまう.....


振り下すだけなのに案外難しい....









「うむ、ちょっと失礼する」

急に背中が暖かくなったと思ったら
振り返る間もなく後ろから私の手に、手を重ねてきた。


思わず息が止まった。








「イメージとしてはこの角度だ。」


突然、耳元から声が聞こえてきてドクンと心臓が高鳴った。いつもより少し声が低い。


「..........違う、そうではなく、木刀に集中して、.....そうだ。もう少し背筋を伸ばして、真っ直ぐ立つ。」


まずい、呼吸の仕方を忘れてしまった。


「小指と薬指中心に力を入れてゆっくり振り下ろす...そうだ、今のような感じだ！」

息がしにくくて苦しい。

「あまり勢いよく振らなくていいぞ。
.......うむ！いい感じだ！なんとなくコツを掴めたか？」


「はい」


........すみません、何も聞いていませんでした。



「今からこれを五十回、五セットだ！」



「.........」


煉獄さんが離れた瞬間呼吸が楽になった。



「聞いているのかA！集中！」


「あっはい！すみません......」




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