*はじめての【煉獄杏寿郎】

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悩みや考え事がある時は思いっきり身体を動かすといいと煉獄さんが言っていた。

「うむ！キリがいいのでここまでにしよう。今日もよく頑張ったな」

「.....あの、今から走りに行きませんか」

「珍しいな、何かあったのか？」

大ありです。誰のせいだと思っているんですか。

「いえ、何かあったわけではないのですが走りたい気分なんです。

それにこの前は二時間(・・・)も付き合ってあげましたよね？」

「......というかなぜ少し怒っているのだ？」

「怒ってないですよ、付き合ってくれますか？」

煉獄さんはまあ良いだろう、と快く引き受けてくれた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


「..........うぅ....もう限界です......」

「俺はまだまだ余裕だ！！」

結局二時間近くも走ってしまった。
確かに少しすっきりしたかもしれない。

「明日から忙しいのにすみません。ありがとうございました。」



「......A！」

「......？」


突然ドヤ顔で力拳を作って私に見せびらかしてきた。






「.......相変わらずすごいですね」

「うむ！そんなに触りたいと言うのなら仕方あるまい！触らせてやろう！」

「....結構です」

つい昨日は触るの禁止だとか言ってたくせに。

「な、なぜだ？！！？俺が嫌いか？」

「....いえ、そうではなく」

さすがに少し意味が分からないのですが。

「ではなぜだ！！！！！！言え！！！」

「煉獄さんが触るの禁止って言ったんじゃないですか！！！！！！」


せっかく少し気持ちがすっきりしたのにもう嫌だ。
早くこの場を離れたい。


「む...！言っていない！！」

「言いましたよ、はっきりと言いました」

「俺に とは言っていない！！！！」

「................はい？」

「村田に触るのは禁止と言ったが別に俺は構わない」

「.............」


「.............」


「.............なんですかそれ」


「そんなに触りたかったか？
誤解させていたのならすまなかった」

なんでいつもいつもそんな余裕なんですか。

悩まされるこっちの身にもなってほしい。


「.........今日は私に付き合って下さってありがとうございました。」

「こら、待て！待ちなさい！何故怒っているんだ！」

煉獄さんに手首を掴まれた。







掴まれた所が熱くて力強くて。




「.......っ」



「な？！！泣くことはないだろう...そんなに痛かったか？」

「......そうじゃ、なくて、」








私はこの時煉獄さんが好きだと気づいてしまった。

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