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目を覚ますと───
──学校の屋上階段にいた。
なんで私はここにいるんだろう。
「乙葉!!!聞いてくれ!!」
そっか、私は先生の報告を聞きに来たんだ。
「ご飯はどうでしたか?」
「うむ!ついに付き合える事になったぞ!!」
「そうでしたか……!良かったですね」
「君のおかげだ!それで来月
彼女と旅行に行くことになったのだが───」
「クリスマスプレゼントは何をあげたら喜ぶだろうか」
「バレンタインのお返しは何がいいと思う?」
「記念日?毎月祝った方がいいのか?」
「相手側の両親と食事に行くことになったのだが──」
「来月籍を入れることになったぞ!」
「もちろん結婚式には来てくれるのだろう?」
「───は……乙葉」
遠くから私を呼ぶ声が聞こえる。
次第にその声が近づいてきて
重たい瞼をゆっくりと開けた。
「…っせん、せ」
滲む視界の先には自室の天井と
心配そうに私の顔を覗き込む先生の顔。
良かった、夢か、、
「大丈夫か?だいぶ魘されていたようだが」
先生の声が思ったよりも近くから聞こえてきて
ドキッと心臓が跳ね上がる。
「ほら、ひとまず水を飲みなさい」
そう言って先生は片手で私の背中を支えながら
もう片方の手で水を飲ませてくれた。
「っ、ありがとうございます」
「うむ!」
これまでの経緯を聞くと
先生は置き去りにされた通学カバンを見て
私に何かあったのかと心配し
ずっと校内を探し回っていた。
そして合流後、
倒れた私をタクシーで送ると
入れ違いでお母さんが深夜勤に行き
私が起きた時に不安にならないように
起きるまでずっと待っていた。と
ジンと目の奥が熱くなった。
それと同時に胸の奥がズキズキと痛み出す。
「…ほ、本当にすみません」
「別に君が謝ることはない
それより具合は大丈夫なのか?」
「はい、さっきよりだいぶ身体が楽になりました」
「そうか!なら良かった。
──で、何故通学カバンも持たずに学校を出たんだ?」
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もち(プロフ) - まゆさん» まゆさん!コメントありがとうございます(´ノω;`)ウウ 体調まで気遣って頂けて嬉しいです!泣 仕事は忙しいですが身体はバリバリ元気なのでGWは更新頑張ります♪ (2021年4月28日 17時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - さくらさん» さくらさん、ありがとうございます〜(TT)!コメント嬉しすぎて仕事の疲れぶっ飛びました!笑 更新頑張りますね♪ (2021年4月28日 17時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - サミさん» サミさん!コメントまでありがとうございます(;ω;)♪感情移入して貰えて嬉しいです....!続編も切キュン目指して頑張ります。引き続きよろしくお願いします(*´∀`) (2021年4月28日 17時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - yumekoさん» yumekoさん返信が遅くなって申し訳ございません(´ノω;`)!煉獄先生どうするんでしょう(T ^ T)笑 書いてて恋愛ほんと難しいなって頭抱えてます、、笑 やっとGWなので!更新頑張ります!あたたかいコメントありがとうございます!泣 (2021年4月28日 17時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - 愁さん» 愁さん!返信が遅くなってすみません。゚(゚´Д`*゚)゚。ありがとうございます♪愁さんの叫び声ばっちり届きました!笑 近々更新しますので少々お待ちください(*^^*) (2021年4月28日 17時) (レス) id: 825ae5ee71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち | 作成日時:2021年3月20日 16時