逃がさないと言われましても 2【煉獄杏寿郎】

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「········えっ·····と」


なんとも言えない空気が漂うなか、咄嗟に愛想笑いをすると、水柱様は「これも食え」と言いながら自分のいちご大福を私のお皿にのせてくれた。


「あ、ありがとうございます····！」




ひとまず話題を変えなくては。









「水の呼吸の、








失礼する！！！！









屋敷の門の方から聞こえたその声に
思わず食べていたいちご大福を膝の上に落としてしまった。



「煉獄か」



そう言って立ち上がる水柱様の羽織を咄嗟に引っ張る。



「······なんだ」

「わ、私がここにいる事は炎柱様に言わないで下さい」


「········何故」

「諸事情です···！！」






「······承知した」


水柱様が行ったことを確認し私は庭の木影に身を潜めた。


昨日の今日では気まずすぎて会えたもんじゃない。
気持ちの整理もついていないしまたうまいこと言いくるめられる事は分かっている。

耳を澄まして身体を小さくしていると2人の会話が聞こえてきた。




「なんの用だ」

「突然すまないな！Aに用があるのだが訓練は後どのくらいで終わるだろうか？」

「······立花なら少し前に戻って行った」

「む！？何故嘘をつく？確かにさっきAの声が聞こえてきたが」

「······」





「中にいるのだろう？」


「··············ああ」









いやいや





折れるのはっっや....







これはまずい




木の上に隠れるか、押し入れにでも逃げ込むか






「········」








でもこれ以上水柱様に迷惑をかけるわけにはいかない。



ここはさっと挨拶してさっと帰ろう。






.








「こ、こんにちは」




「なんだやはりここにいたのか！」



炎柱様の顔には少し傷があって顔色もあまりよくなかった。



昨日の任務だろうか。




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「喧嘩か」



「い、いえ！······では私はこれで失礼します！
また明日もよろしくお願いします！いちご大福ご馳走様でした！」





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