9 オシロイバナ ページ10
──似てるね、私達──
嬉しかった。
累「そうだね。似てるね」
『うん!』
2人で笑いあった。
『そういえば、累くん。片目が前髪で隠れてるよ?初めてあった時からそうだけど、ずっと気になってて!直してあげる!』
スッ……バチン!!!!
『痛!!…る、累くん?』
咄嗟に手を払ってしまった。
累「!?ご、ごめん!!」
僕の左目には下弦の伍の印がある。
これを見られたら、人間でないと言っているようなものじゃないか。
『あ…いいよ…あやまらないで……』
累「……ほんと…ごめ…ん」
『何か理由があるんでしょ?見ようとしてごめんね』
Aは何も悪くない。
それに
この娘なら大丈夫。
そんな気持ちになるから不思議だ。
累「…見たい?」
『累くんがいいなら…』
累「怖がらない?」
『…うん!』
スッ
『っ!』
怖がってる。
やっぱり見せるんじゃなかっ…『すごい!』
え?
『目に文字が書いてあるの!?初めて見た!』
え?
『……累くんは、すごいね。』
?
『私は怖がりなの…累くんに秘密にしてることがあるの!!累くんは言いたくないならいいよって言ってくれたけど、私も言う!』
『私、鬼の血が流れてるの!!!!』
は?
鬼?
『でも、私は鬼じゃない!!出来損ないだったの!!鬼にもなれない、人にもなれない!何者にもなれなかったの!!!!』
累「君は…鬼なの?」
『違う!!!!!私は化け物なんかじゃない!』
累「!…分かってる。君は君だ。大丈夫だから…」
『うっ、うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええん!!!』
鬼。
君の口から、この言葉が出るなんて。
僕も、自分が鬼だと
言わないと。
『累くんっ、私はっ、鬼じゃないのっ』
泣きながら必死に訴えかけてる。
累「うん、大丈夫だよ。分かってるか…『累くんみたいな素敵な“人間”がいるなんてっ、私っ、』
!…人間…そうか、この娘からしたら
鬼は醜い化け物なんだ。
『私は累くんに救われたっ…!化け物の血が流れてる私でも、一緒にいてくれる?』
累「もちろん、Aは、……人間だ。」
『人間ってみとめてくれたのは、累くんが初めて…!』
ありがとう、ありがとうってAは何度も繰り返した
僕は結構言えなかった。
鬼だって。
Aに僕は人だと嘘をついてるというのに、罪悪感のようなものを感じながら。
僕は、Aに嘘をつき続ける。
醜くて
ごめん。
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ゆい(プロフ) - ラムネさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで作者とっても嬉しいです。最後まで更新頑張りますので、よろしければまたいらしてください! (2020年4月27日 14時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - 目からジュースうううう(´;ω;`)神作品だああああ (2020年4月27日 0時) (レス) id: 5678088658 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - ゆいさん» 頑張ってください! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - レイ@吐息厨イケボさん» コメント嬉しいです!こんなに作品を愛してくれてありがとうございます!作者、感激です。更新頑張りますのでよろしければ、また読みに来てください。お待ちしています! (2020年3月13日 20時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - もう、この作品大好きです!作者さん才能のかたまりですよ! (2020年3月13日 20時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい | 作成日時:2019年12月31日 22時