【鬼滅の刃】【累】初恋は実らない？

37 ダイヤモンドリリー ページ44

──僕は君といたい…──

『…きて…ほしい』

累「もちろん行くよ」

『嬉しい…！』

Aを1人になんてしない

絶対に。

『炭治郎、いい？』

炭治郎「あぁ、もちろん」

累「でもこの山をおりるのは危険じゃない？」

伊之助「そうだな、できるだけ少人数がいい。…だから俺はここに残る」

累姉「なら、私も行かない方がいいわね…」

『！…姉さん…伊之助……じゃあ、2人とはもうお別れ…？』

累姉「お別れじゃないわ。いつかきっと会えるわよ」

伊之助「…(ほわほわ)」

『うん…！そうだね！』

累「A、行こうか」

『うん』

これからAは鬼の居ない世と引き換えに

自分の命を捧げるというのに

なんで、Aは笑顔でいられるのだろう。

どこまでも不思議な子だな…

『炭治郎、禰豆子さん、茶々丸、行こ』

炭治郎「あぁ」

にゃ〜

スタスタ

『さよなら』

Aは姉さん達が見えなくなるまで手を振った。

ずっと笑顔で。

…それが少し怖く見えた。

累「A、手繋ご？」

ギュッ

『…累くん、大好き』

累「僕もだよ」

その時のAの横顔は

不自然なくらい綺麗だった。

まるで、作り物みたいで

今にも動きが止まってしまいそうで

…不安になった。

累「A、大丈夫？」

『……』

累「A？」

『………』

累「A」

『…あ、うん、何？』

累「大丈夫？」

…こういうとき、もっと気の利いた言葉が出ればいいのにな。

累「えーと、体調悪いのかなって」

『あ…心配かけちゃった？ごめんね、大丈夫だよ！』

炭治郎「…A、本当にすまない」

『えっ？』

累「…」

炭治郎「君の血で他の鬼は助けるが、無惨だけは…俺が…」

『…鬼舞辻さんは確かにちょっと怖いかもね。でも、本当は寂しい人なんだよ』

累「無惨様は僕に良くしてくださる優しい方だ。坊やは何故無惨様を目の敵にしているんだい？」

炭治郎「…家族を殺されたんだ。生き残った禰豆子は鬼になってしまった」

『私も母様を殺された。…人間に』

炭治郎「！」

『ねぇ炭治郎。人も鬼も同じくらい醜いね？』

累「A？」

『ずっと考えてたの。人と鬼の違いを…でも、なかったよ…

醜いところも

優しいところも

悲しいところも

全部一緒…』

どっちも可哀想な生き物だ、と言ってAは優しく微笑んだ。

炭治郎「…そ、そうかもしれない……でも…無惨は…っ！」

ふにっ

炭治郎「！」

『しー、それ以上は言ってはいけないよ』

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