【鬼滅の刃】【累】初恋は実らない？

27 プルメリア ページ32

Aさんside

──この力は誰かを守るために使うのよ──

いつしか母様に言われた言葉…だったそうだ……

もう母様はこの世に居ないから、答えはきけないのだけど。

私の本当の母様はとても優しい人だったらしい

聞いた話によれば、母様は私のような化け物を産んでしまったから散々痛めつけられて殺されたそうだ。

そして最期に言った言葉が──


『………っ』

累「A…？起きたの…」

『あ、累くん…』

累「大丈夫？嫌な夢でも見たの？」

『ううん、大丈夫』

累「ならいいけど」

嫌な夢…夢だったら良かったのに……

累「ねぇ、A」

『ん？』

累「君の血鬼術って…」

『あ、ぁ』

どうしよ、言わなきゃ…だよね

累「A…？」

…累くんにならいいですよね

累「大丈夫？」

いいですよね、母様。

累「A」

『！』

累「A、まだ眠い？」

『あ、平気』

累「そう、じゃあ聞いてもいい？」

『あ、私の血鬼術ね…』

累「うん」

『…春風』

累「春風？」

『…春に吹く暖かく優しい風』

累「それがAの血鬼術？」

『そうだよ、あとは…青嵐、爽籟(そうらい)、木枯』

累「全部季節に因んだ名前なんだね」

『うん！…累くんに使ったのは、治癒能力のある春風だよ。どんな病も治しちゃうんだから！』

累「凄く強い能力だね」

『自慢の血鬼術だよ！…この血鬼術を私の母様に使ってあげられれば良かったのに…って何度も悔やんだ技』

…って！！暗い方にもっていかない！！！

『な、なんてね！』

累「大丈夫だから、無理して笑わない。ね？」

『は、はい』

累「…Aは、太陽も克服してるし、可愛いし、いい子だし、全然出来損ないにはみえないな」

『そ…そんなこと…』

累「Aが思ってるよりAは素敵な女性だよ」

『恥ずかしいこと言わない！！』

むぐっ

累くんの口を両手で封じた。

累「むごむごむごっ！(何するの！)」

『どきどきしちゃうから喋っちゃだめ！』

累「むぅ…」

『とにかく！私の血鬼術はそんなとこ。体力がないから、１回使うだけでヘトヘトだけどね』

累「むぅ…むごむごむご(へぇ…ってか、もう離してよ)」

『あ！ごめんね』

パッ

累「…まぁAの血鬼術が強いのは分かったよ」

『私だって、最近まで血鬼術って存在すら知らなかったんだよ！』

累「…じゃあ、いつ知ったの？」

『累くんと初めて会うちょっと前に鬼舞辻さんに教えてもらったの』

累「この山に無惨様がきたの！？」

『うん』

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