19 紅色のチューリップ ページ22
──あったかい手──
僕の頭を撫でてくれる小さい君の手。
大好きなAの手。
『よしよし』
累「ん〜!」
すりすり
『あはは、なんか甘えんぼさんになったね!』
累「…思い出したんだ。昔のこと」
『そっか、辛くなかった?』
累「いい思い出だったから…」
『良かったね、思い出せて』
累「うん」
Aは不思議な子。
あったかくて、ふわふわしてて
例えるなら、
女神みたいな。
って僕は何を考えているんだ!
…そもそも、神なんて人間のおとぎ話だけど、
それでも良いと思ってしまうほど
僕は君が好きみたいだ。
累「…遅かったね。凄く心配したんだよ」
『ごめんね。太陽の光が見たくなっちゃった』
鬼の血が入ってるんだよな、Aは。
なのに太陽が平気なのか。
本当に不思議な子…
それに、気配がおかしい。
人間の気配でもないし、鬼の気配でもない。
出会ったときだって、Aの気配に気づけなかった。
『累くんは、太陽の光をあびたら死んじゃうの?』
累「!?」
『…なんかね、私が住んでた町で言い伝えがあって、夜にしか姿を現さない魔物がいるっていうのなんだけど……その魔物はね、人を食べるんだって。あと…太陽の光で焼け死んでしまうの。だからその魔物は太陽が嫌いなんだって』
鬼。
それは鬼だ。
Aは僕が鬼だと疑ってるのか。
『私はそんな作り話信じないけどね!』
累「え?」
『累くんをからかっただけだよ!』
累「…急にそんなこと言うから驚いたよ」
『あのね累くん、私太陽の下にいると気分が悪くなるって言ったでしょ?』
累「言ってたね」
『さっきみたいに少しの時間ならいいんだけど、長時間いると肌が焼けるように痛くなるの』
……。
『だから町の人は私がその魔物だって言ってね、そりゃもう痛めつけられて…』
さすさす
Aの背中をさすってあげた。
累「つらい思いをしたね」
そしたらAは泣きそうに笑って
『でももう累くんがいるからつらくない』
なんて言って僕に抱きついてきたから、僕も抱きしめ返した。
ずっと、こんな幸せが続きますように。
Aと本当の幸せをゆっくり見つけられますように。
累「…A」
『ん?』
累「僕、Aのことが…」
『待って!!!』
累「え?」
僕の人生(鬼生)で最初で最後の告白が…
『わ、私から言いたい!』
累「え、やだ…僕から言いたい」
『私、累くんのことが』
累「僕、Aのこと…」
「『大好き』」
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ゆい(プロフ) - ラムネさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで作者とっても嬉しいです。最後まで更新頑張りますので、よろしければまたいらしてください! (2020年4月27日 14時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - 目からジュースうううう(´;ω;`)神作品だああああ (2020年4月27日 0時) (レス) id: 5678088658 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - ゆいさん» 頑張ってください! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - レイ@吐息厨イケボさん» コメント嬉しいです!こんなに作品を愛してくれてありがとうございます!作者、感激です。更新頑張りますのでよろしければ、また読みに来てください。お待ちしています! (2020年3月13日 20時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - もう、この作品大好きです!作者さん才能のかたまりですよ! (2020年3月13日 20時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい | 作成日時:2019年12月31日 22時