18 勿忘草 ページ20
──僕も行きたい──
誰かが遊んでいる声がする。
いいなぁ。
僕も遊びに行きたいな。
累「ケホッ、ケホッ、ゴホッゴホッ…」
よし、行ってみよう。
スタ…スタ…
子供1「えい!」
ペシャッ
子供2「やったなー!それ!」
ペシャッ
雪玉を投げあってる。
楽しそう…!
スタ…すた…
こてん!
転んでしまった。雪がふかふかなおかげで助かった。
累「ケホッ、ケホッケホッ、ケホッ…」
遊べなかったけど、外に出られた。
息が白い、面白いな。
…空がきれい。
でも帰らなきゃ……どうしよ、身体が動かせない。
タタタッ
?「るい!るい!?累!!何やっているの、外に出てはだめでしょう?」
────────────────
だれ?
今のは何?
僕の……記憶…?
…母さん?
あの人が、僕の母さん?
…そうだ……思い出した。
僕は人間だった頃、身体が弱くて走ることはおろか、歩くことすらままならなかった。
それがつらくて、でもある日、
僕は鬼になって、
それから……そうだ…
[なんてことしたんだ 累…!!]
…鬼になったら、僕の身体が元気になったら、喜んでくれると思ったのに。
父さんと母さんは喜んでくれなかった。
僕は最後まで両親に迷惑をかけるのか。
[大丈夫だ累 一緒に死んでやるから]
!!!
父さん…!
[丈夫な身体に産んであげられなくて…ごめんね……]
母さん…!
僕が全部悪かったよ……
──ごめんなさい
これだ、ずっと忘れていたのは。
人間だった頃の記憶。
やっと思い出した。
ずっと、謝りたかった!
だけど、もう遅い。
だって父さんと母さんは…僕が殺したから…
いかないで…!
やっと、思い出せたんだ!!
──累もういいんだ、許すよ。おまえが思い出してくれて父さんは嬉しい。
──大丈夫よ累、あなたはまだやり直せるわ。大切なものを見つけられたんだもの。
!?
累「まって!!!…って……ぁ…」
目の前にはすっかり見慣れてしまった、日があたらない家。
今の声は、父さんと母さん?
許してくれるの?
これは、僕の妄想じゃないよね?
…ありがとう…父さん、母さん…
もう大切なもの、見失わないようにするよ。
『累くん、ただいま!』
累「!おかえり、外は大丈夫だった?」
『うん!』
累「A」
ギュ〜〜!!!
『!?』
累「心配してたんだよ!また、置いていかれるかもって!!」
『累くん…?』
累「絶対離さない!」
『る、累くん……よしよし、大丈夫だよ』
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ゆい(プロフ) - ラムネさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで作者とっても嬉しいです。最後まで更新頑張りますので、よろしければまたいらしてください! (2020年4月27日 14時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - 目からジュースうううう(´;ω;`)神作品だああああ (2020年4月27日 0時) (レス) id: 5678088658 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - ゆいさん» 頑張ってください! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - レイ@吐息厨イケボさん» コメント嬉しいです!こんなに作品を愛してくれてありがとうございます!作者、感激です。更新頑張りますのでよろしければ、また読みに来てください。お待ちしています! (2020年3月13日 20時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - もう、この作品大好きです!作者さん才能のかたまりですよ! (2020年3月13日 20時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい | 作成日時:2019年12月31日 22時