15 アザミ ページ17
──Aが風邪をひいた──
それに気がついたのは、夜起きてから。
累「夜だよ、A。起きて」
ゆさゆさ
『…ん……ケホッ…』
累「咳してる、大丈夫?」
『ん……』
もぞもぞ
ぴと
Aが僕の手を取っておでこにおいた。
累「!…熱い」
『…りゅ…いくん…あつ…い…よぉ…くりゅし…い…よ…』
熱がある。
風邪か!?
累「とりあえず、水を持ってくるから待ってて!」
タタタッ
『ぐすっ…りゅいくん…いかない…で……』
スタスタ
『!…りゅいくん!おいていかないで…ょ…って…あれ?』
累姉「累じゃなくて悪かったわね」
『だ…ぁれ…?』
累姉「そんなのあんたに関係ないでしょ」
『ごめんなしゃ…ケホッ、ケホッ』
累姉「まぁもうじき、あんたは死ぬし。……累も人間なんて、最初からやめとけば良かったのに」
『し…しぬの?』
累姉「えぇ、人間用の毒でね」
『どく?』
累姉「そう、毒。あんたが累といないときを見計らって、あんたの食事に毒を入れたのよ。ゆっくりと身体を蝕んでいくそうよ」
『うっ、ぐすっ…』
累姉「泣くことしか出来ないなんて可哀想ね」
累「ねぇ、何してるの?」
累姉「!?…累、あたしは…あなたのためを思ってしたのよ!」
累「僕のため?」
累姉「ええ!!人間といちゃ、ろくな事ないわ!」
累「“おまえ”に何が分かるの?…それに、Aに仕組まれた毒が僕に分からないと思う?」
累姉「!?」
累「もう、さよならだね」
日の光で、殺そう。
『りゅ…るいくん…かえって…き…た?』
!?
そうだ…
Aが居るんだ。
この子を優先しないと。
『…ケホッ、りゅいくん…どく…が…』
累「毒じゃないよ。ただの風邪だから」
ギューッ
なでなで
『どく…じゃ、ないの?…』
累「うん」
『そっかぁ…よかった…』
累「ゆっくり休んで」
Aを寝かせて、布団をかけて、
布を水に浸して絞ったものを額にあてた。
『りゅいくん…あり…がとう…ケホッ、ケホッ』
累「大丈夫!?」
コクッコクッ
累「そばにいるから、大丈夫だよ」
『すー…すー…』
寝れたみたい。
累姉「…ずいぶんこの娘に優しいのね」
累「まだ居たの?」
ピシャッ
累姉「いやあああ!!」
累「うるさい、Aが起きるだろ」
累姉「っ!そんなに怖いの?その娘に鬼とバレるのが」
累「…僕 に 口 答 え す る の ?」
累姉「…っごめんなさい!許して!」
累「じゃあさ──」
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ゆい(プロフ) - ラムネさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで作者とっても嬉しいです。最後まで更新頑張りますので、よろしければまたいらしてください! (2020年4月27日 14時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - 目からジュースうううう(´;ω;`)神作品だああああ (2020年4月27日 0時) (レス) id: 5678088658 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - ゆいさん» 頑張ってください! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - レイ@吐息厨イケボさん» コメント嬉しいです!こんなに作品を愛してくれてありがとうございます!作者、感激です。更新頑張りますのでよろしければ、また読みに来てください。お待ちしています! (2020年3月13日 20時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - もう、この作品大好きです!作者さん才能のかたまりですよ! (2020年3月13日 20時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい | 作成日時:2019年12月31日 22時