2 初恋草 ページ2
──泣かないで──
こんなことを人間に思う日が来るなんて
胸が苦しい、この娘が泣いたからか?
累「そんなに泣くことないだろう」
『うっ、うっ、ぐすん、ひっ、うっ』
泣き止まない、困った。
『かっ、かあっ、さ、まっ』
かあさま?母様?母親の事か、はぐれたと言っていたな。
[助けて欲しい?]
違う、そうじゃなくて
累「僕がAを助ける。いい?」
『っ!いっ、いいのっ?』
累「もちろん。僕が、そうしたいの」
まさか、自分の口からこんな言葉がでてくるなんて信じられなかった。
僕のなかで、何かが変わってきている。何故だかそんな気がした。
僕は鬼だ。人間と接触するのは出来るだけ避ける。まぁそんな事しなくても僕はそれなりに強いから、あまり心配はいらないのだけれど。
Aの母親を探すという事は、人間と接触するということ。その危険性に気づかないほど僕は馬鹿ではない。
それでも、僕はAを助けたかった。
また笑顔を、Aの笑顔をみたい。
『ありがとう!』
ニコ!
(きゅん)
ん?きゅん?なんだろう、この感じ。
累「じゃ、行こうか」
『うん!…えっと』
累「どうしたの」
『あなたのお名前!まだ、知らないから』
まだ教えてなかったっけ。そっか。
累「僕の名前は累(るい)」
『累くん?』
累「そう」
『累くん、かっこいい名前だね』
累「そ、そうかな」
『そうだよ!』
累「Aの母様とは、どこではぐれたの?」
『わ、わかんない。ごめんなさい』
あぁまた泣きそうになってしまった。
『私、もう小さい子供じゃないのに、迷子になっちゃうなんて、思わなくって、怖くなっちゃって!何が何だか分からなくって…………』
混乱してる。落ち着かせないと。
累「大丈夫だよ、落ち着いて」
『……累くんは、すごいねぇ』
累「なんで?」
『だって、私とあんまり歳変わらなそうなのに、しっかりしてて!凄い!かっこいい!』
凄いべた褒めだ…。小っ恥ずかしい気持ちになる。
『私、年の割に言動が幼いってこの前父様に言われたの。でも、どうすればいいかわかんなくて。』
累「そのままでいい」
『え』
累「Aはそのままがいい。僕は今の無邪気なA
が…」
[好きだから]
っ!?僕は一体何を、考えて…?
『無邪気な私が?なあに?』
累「無邪気なAが、素敵だと思うよ」
危ない、何とかこの場をしのいだ。
『あ//ありがとう…』
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ゆい(プロフ) - ラムネさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで作者とっても嬉しいです。最後まで更新頑張りますので、よろしければまたいらしてください! (2020年4月27日 14時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - 目からジュースうううう(´;ω;`)神作品だああああ (2020年4月27日 0時) (レス) id: 5678088658 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - ゆいさん» 頑張ってください! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - レイ@吐息厨イケボさん» コメント嬉しいです!こんなに作品を愛してくれてありがとうございます!作者、感激です。更新頑張りますのでよろしければ、また読みに来てください。お待ちしています! (2020年3月13日 20時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - もう、この作品大好きです!作者さん才能のかたまりですよ! (2020年3月13日 20時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい | 作成日時:2019年12月31日 22時