1 キャンディータフト ページ1
──どうせ、僕を守れない──
そんなこと、とっくに知ってた。
僕が1番強いから誰も僕を守れない。単純なこと。
僕は彼奴らを助けた。そのおかげで彼らは生きてる。
彼奴らは僕の家族になった。でもそれだけ。
僕の欲しいのは作り物の家族じゃない。絆。偽物じゃなくて、本物の。
でも、誰も僕の望んだものは持ってなかった。
父さん、母さんと呼べる人が僕にもいたんだ。…僕を殺そうとした最低な親だけどね。
何か大切なことを忘れている気がするんだ。家族を作れば思い出せると思ったのに。
あぁ、思い出せないなら、そのままでいいかもしれない。
鬼になり、人を喰らうということを繰り返せば強くなる。その分、人間の頃の記憶もなくなっていく。
それは、仕方がないことらしい。
なら、僕は鬼として生きなくては。僕を救ってくれたあの方の力にならなくては。
『おーい、聞こえますか？』
累「！？！？！？！？」
気配に気づけなかった！！鬼狩りか！？
『あっ！生きてた！よかった〜！』
見た目は僕と同じくらいの年齢か、隊服は着ていないな、刀もない。
『ぼーっとしてたから、なんかあったのかなって』
なぜ、気配に気づけなかった？しかもこんな子供の娘。
人間だぞ？どういう事だ？？
『私の話聞いてる？』
累「…ッ…え」
『だから！は、な、し！聞いてた？』
累「あ、人間…」
『？…どうしたの？…ﾊ！やっぱりなんかあったんでしょ』
ギュッ
？？？？？
『大丈夫、大丈夫。いい子、いい子。よしよし、大丈夫だよ。私が守ってあげるからね。』
何を言ってるんだ、この人間。頭おかしいんじゃないか？
なんで抱きしめられてるんだ？それに、なんで僕はこの人間を殺さないんだ？
何も分からない。こんなの初めてだ。
恐怖などの負の感情ではなく、とにかく不思議で、
あたたかい。
『落ち着いた？』
累「君、名前は？」
『え、な、名前？』
累「そう、名前」
『…A』
累「A、いい名前だね」
『ッ///そ、うかな、はじめて言われた。えへへ、ありがとう』
累「ねぇA、君はどこから来たの？こんな山奥にな
んの用？」
『やま…お…く？』
『って、ああああああぁぁぁ！！！！！』
ビクッ
累「な、なに？」
『わたしっ、私っ、母様とはぐれ、ちゃ、ってっ』
『うぇぇええええええええええええええん！！！！！』
泣いてる。さっきまであんなに笑ってたのに。
笑ってくれないかな…
また笑顔がみたいな
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ゆい(プロフ) - ラムネさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているようで作者とっても嬉しいです。最後まで更新頑張りますので、よろしければまたいらしてください！ (2020年4月27日 14時) (
レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - 目からジュースうううう(´;ω;｀)神作品だああああ (2020年4月27日 0時) (レス) id: 5678088658 (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - ゆいさん» 頑張ってください！ (2020年3月13日 21時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - レイ@吐息厨イケボさん» コメント嬉しいです！こんなに作品を愛してくれてありがとうございます！作者、感激です。更新頑張りますのでよろしければ、また読みに来てください。お待ちしています！ (2020年3月13日 20時) (レス) id: f9500abb8d (このIDを非表示/違反報告)
レイ@吐息厨イケボ(プロフ) - もう、この作品大好きです！作者さん才能のかたまりですよ！ (2020年3月13日 20時) (レス) id: 2343fa900b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい | 作成日時：2019年12月31日 22時
